病院送りTKOで世界Sミドル級を3団体統一した”カネロ”アルバレスが試合後乱入のもう一人の世界王者とキレて異例”場外戦”
試合後、リング上のインタビューで「この階級にはもうひとつベルトがあるが?」と、質問されると「狙いたい。歴史を作るぜ」と、IBF世界同級王者、プラントとの対戦を否定しなかった。この試合を最後に一度、カネロとの契約が切れるプロモーターのハーン氏もリング上に上がり、「9月にできるかもしれない」と具体的な日程まで口にした。 プラントは21戦無敗で12KOのトリッキーな動きもできるテクニシャン。2年前にベルトを取ったばかりで防衛は3度、今年1月にはカレブ・トルアックス(米)に判定勝利しカネロ戦を熱望していた。 ただプラントは有力プロモーターのアル・ヘイモン氏と契約しており、ヘイモン氏はフォックスとの放映契約を結んでいるため、DAZNの中継で試合をしているカネロとの試合を実現するには障害がある。 今後もカネロと提携関係を続ける意向のハーン氏は、これらの中継局の問題はクリアでできるとしているが、簡単には話が進みそうにはない。 その一方で、試合後の会見で、もう一人の刺客がハプニング的な騒動をひき起こした。カネロのミドル級時代から対戦を熱望していたWBO世界ミドル級王者のアンドラーデが、メディア席にまぎれて座り、いきなり衝撃的なTKO勝利をした3団体王者に質問をぶつけたのだ。 「いつになったら私との試合をやるんですか?」 カネロは質問者がアンドラーデだとわかるとニヤっと笑った。 「あなたは誰とも戦っていない。チャンピオンだけど誰(強豪)とも試合をしていないじゃないですか。誰でもない相手と試合をしてベルトを持っているだけでしょう」 カネロが揶揄したのは、ジャメール・チャーロ(米)との試合が実現せず、カネロより先に進んでいたサンダースとの試合もサンダース側のドーピング問題などで流れたこと。カネロに皮肉られたことに激怒したのは、アンドラーデの父のポール氏。「おまえは息子との試合をずっと逃げてきた」などと叫ぶと、現場に不穏な空気が流れて混乱。 ついにカネロが放送禁止用語を連発させてキレた。