WBO世界戦”疑惑ストップTKO負け”高山勝成の怒りの抗議行動がバズる…海外メディアも「最悪審判」「恥ずべき裁定」と批判
プロボクシングのWBO世界ライトフライ級タイトルマッチが8日(日本時間9日)。米テキサス州アーリントンのA&Tスタジアムで行われ、5年ぶりの世界戦となった挑戦者で同級11位の高山勝成(37、寝屋川石田)が、王者のエルウィン・ソト(24、メキシコ)に9回2分44秒TKO負けを喫して2階級制覇を逃した。 ダウンシーンはなく、高山は戦意を喪失していなかったが、レフェリーがダメージの蓄積を認め試合をストップ。この“早すぎるストップ“に高山陣営が猛抗議。高山がリング上で約20秒の怒りと高速シャドーボクシングを披露すると中継した「DAZN」が公式ツイッターに、その映像をアップし約45万件の視聴を呼びバズった。海外メディアも「不可解」「恥ずべきストップ」などとレフェリーの裁定を疑問視して批判。WBOがどういう判断を下すのか。今後の展開に注目が集まる。
戦意喪失もなかったのに突然のTKO負け宣告
あまりにも突然の宣告だった。 9ラウンド。動き回る高山の手数の多さとジャブの”カーテン”に手を焼いたソトは、大振りをやめて、アッパーを織り込んでのショートパンチの連打に戦法を切り替えてきた。両者足を止めての壮絶な殴り合い。高山は連打され被弾するも懸命に前に出ていた。だが、ソトが右のパンチをヒットさせた後に高山を手で突き放すと、レフェリーのローレンス・コール氏が割って入り掲げた右手を振って試合をストップ。高山のTKO負けを宣告した。納得のいかない高山陣営は猛抗議した。 確かに、このラウンドは、パンチをまとめられたが、明らかに手が止まり戦意を喪失したわけではなかった。1ラウンドに右をもらい、左フックにぐらつき、2ラウンドにも強烈な右のフックを命中されて動きは止まった。6ラウンドには、右アッパーを効かされ、たまらず横を向いてしまうシーンまであったが、ここまでダウンはなく、ダメージの蓄積が顕著に見られたわけではなかった。 高山は「まだまだやれる」をアピールするためにリング中央に出て、怒りと抗議の高速シャドーを約20秒にわたって披露した。 これにはメインのサウル”カネロ”アルバレス(メキシコ)対ビリー・ジョー・サンダース(英)のスーパーミドル級の3団体統一戦を目当てに集まった7万人を超えるファンが、やんやの大声援を送り、中継した「DAZN」は、公式ツイッターに、すぐさま、この約20秒間の怒りの高速シャドーを「高山が今か今かと待ちきれない!」とのコメントと「怒りの絵文字」を添えてアップした。 またたくまに視聴数が増え原稿掲載時点で約45万件をこえる視聴数、約1000件のリツイート、5500件を超える「いいね」がつく反響を呼び、バズった。 「止めるべきではなかった」「サムライ」「なんて馬鹿げたストップだ」「高山は男だ!ファンになった」などの好意的な声が殺到した。 海外メディアも一斉にレフェリーの“早すぎるストップ”を批判した。米専門サイトの「ボクシング・シーン」は「ソトが9ラウンドに高山から論議を呼ぶレフェリーストップで防衛」との見出しを取り、「ソトが疑問の残るテクニカルノックアウト勝ちを収めた。高山は最初の2ラウンドの苦戦をこらえ、多くのパンチでソトを疲れさせたが、レフェリーは12回戦の試合を9回2分44秒で試合を止めた」と伝えた。