「家を買おうと思っていなかった人に売れる」…住宅メーカーとファッションブランドのコラボ住宅
ブランド側にとっても、住宅を通して生活スタイルを提案することが、雑貨や家具などの販売につながる。「ニコアンド」を運営するアダストリアの担当者は「住宅とライフスタイル全体を手掛けるブランドとの相性がよく、相乗効果が出せる」と、事業の拡大に期待を寄せている。
戸建て販売は厳しい環境
住宅メーカー各社が異業種のブランド力に頼る背景には、戸建て住宅販売を取り巻く厳しい環境がある。国土交通省によると、2023年度の戸建ての新築着工戸数は35・8万戸と、この20年で最低水準となった。人口減少に加え、建設費の高騰も重しとなっている。
こうした中で顧客を獲得するカギが個別の趣向への対応力だ。不動産情報サービスのアットホームが、22年6月以降に注文住宅を購入した400人に調査したところ、79・5%が「工務店や住宅メーカーのこだわりや思いに共感した」と回答した。担当者は「自分の趣味や嗜好にあった住宅を求める傾向が顕著となっている」と指摘している。