「三菱トライトン」と「トヨタ ハイラックス」一線を画した明確な違い【試乗記】
● ここまで進化し洗練され しかもタフなピックアップトラックは世界でもない 前日に降った雨の影響でコースはだいぶ難易度が増している個所があった。トライトンは、それをものともせず駆け上がっていく。4LLC(ローギア直結4WD/センターデフロック)にセットし、ドライブモードをMUDかSANDに設定するとスリップが抑えられ、たいていのところは走破できる。スタックしても、センターに配されたスイッチを押してリアデフロックにすると大丈夫。見事に切り抜ける。運転が簡単で快適であることも印象的だ。 舗装路でも好印象だったエンジンは、豊かな低速トルクとリニアなレスポンスのおかげでオフロードでも非常に扱いやすい。新開発のシャシーはサスペンションストロークが長く、足がちゃんと届く感覚がある。剛性が向上したラダーフレームと相まって、路面からの入力を巧みに吸収してくれる。 新開発の電動パワーステアリングもいい仕事をしている。キックバックが小さく、ストレスを感じさせない。ブレーキを駆使した三菱独自のAYCやアクティブLSDも、縁の下で圧倒的な走りを支えてくれているに違いない。 完成度と実力の高さに感心しきり。ここまで進化し洗練され、しかもタフなピックアップトラックは世界でもない。好調な売れ行きは高い実力に裏打ちされている。ピックアップに憧れを抱く筆者は、手に入れたユーザーが無性にうらやましい。 (CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)
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