株式優待よりお得な特典も!? 「企業銀行サービス」の大盤振る舞いに口座開設が殺到中
特典を盛りすぎて申し込みが殺到し、急遽特典を中止する事態に追い込まれた企業銀行サービスもある。家電量販店の王、ヤマダデンキによる『ヤマダNEOBANK』だ。ネット銀行大手「住信SBIネット銀行」と共同で提供している銀行サービスである。 ヤマダデンキは11月28日から、『ヤマダNEOBANK』の「ヤマダ積立預金 満期特典」キャンペーンとして、通常の積立総額の5%還元に加え、特典としてさらに5%の計10%をポイント還元するキャンペーンを開始。元本保証で、別途金利も付与されるため、Xではサラリーマン投資家を中心に「年利実質18%の衝撃」「年利の破壊力抜群」などと話題が集中した。 ところがその2日後、11月30日には新規の申込受付を一時停止。さらに12月2日、ヤマダデンキは「想定を遥かに上回る申込みと、一部の方からの大量の申込みがあった」として、「ヤマダ積立預金 満期特典」の中止を公表した。既にキャンペーンに申込済みの顧客には、"お詫び代"として1人1口座につき 3000ポイントを付与するとし、「見通しが甘く、期待を裏切る結果となった」と謝罪した。 Xでも期待が大きかった分、「積立する前にキャンペーン終わった」「美味しい話は続かない」「新規口座作って準備していたのに無念」などと落胆のポストが広がる一方で、「なぜ実現できると思ったんだ」「薄々中止の予感はした」といった冷静な意見も目立った。 実は前述の金子さんも、本キャンペーンを知って『ヤマダNEOBANK』の口座開設をしていた。 「JRE BANKに続いて、ついつい特典につられてしまいました。だっていくら預金金利が上がったと言っても、メガバンクや地銀に預けても金利1%以下です。ただお金を預ける時代は終わりましたよ。プラスアルファの魅力が大切なので、今回の中止にめげずに、今後も企業銀行サービスに目をつけていきますよ」(金子さん) その企業ならではの魅力を全面に押し出した特典でどれだけ顧客の心をつかめるか。企業銀行サービスの広がりが、令和のビックバンの発火点になるかもしれない。 文/山本優希 写真/photo-ac.com 山本優希