「もし、地下鉄で大地震に遭遇したら…」命を守るために“絶対にやってはいけない”5つのこと【保存版】
いざ避難! 目指すは非常口マーク!
非常時には駅員さんの案内に従って避難することが基本ですが、ここで避難に重要となる非常口の表示についてクイズです! 非常口や避難方向を示す誘導灯で下の白地に緑で描かれた表示(左)と、緑地に白で描かれた表示(右)、それぞれどんな意味があると思いますか? 正解は、白地の表示は「非常口につながる経路を示している」、緑地の表示は「非常口はここです!」と表している、です。端的に言えば、白地の表示マークは非常口へ向かう途中に設置されており、その表示をたどっていくと、ゴールである緑地×白の表示(非常口)があるというわけ。
「東京メトロでは、避難経路の明確化に取り組んでいます。
東京都の火災予防条例に従って、駅には避難口/避難方向明示物を設置していますが、お客様の目線の位置はもちろん、床や壁、階段の下の方にも設置している(下の写真参照)のはなぜだかわかりますか? 火災時は煙が上に上がるので、お客様には姿勢を低くして避難していただくのですが、そのときにも表示が見えるように低い位置に設置しているのです。また、これら明示物は蓄光タイプですので、停電で薄暗くなっても目立つような工夫がされています。東京メトロの駅に行ったとき、是非確認してみてください」(木暮さん) 災害時は利用客もパニック状態になり、階段や出口に向かう人の波に引き寄せられるのもわからなくもありません。しかし、そこは冷静に非常口の表示を探しましょう。
注意点4 地下鉄乗車中に大地震発生! 勝手に線路に出るのは絶対ダメ!!
電車は大地震の際には直ちに緊急停止します。停止時のショックも想定されるので、普段から手すりやつり手にしっかりつかまって乗車する癖をつけておくことが大切です。 乗客は、座っている場合、座ったまま荷物で頭を守ります。立っていて近くにつり手や手すりがない場合は、その場で姿勢を低くしてください。また、電車の窓ガラスには飛散防止フィルムが貼られていて、地震の揺れで割れることはないとのこと、窓から離れようと慌てなくて大丈夫です。ただ、荷棚の荷物が落下してくる恐れがあるので、それには注意が必要です。 また、火災が発生したときも落ち着いてください。電車の座席や壁などの素材は燃えにくい素材でできているので、大火事が発生することは基本的にないからです。乗客は車両に設置されている消火器で初期消火することもできます。残りの乗客は隣の車両に避難するのが良いでしょう。 そして、大切なのが車内放送をよく聞くことです。最近は自動運転の車両もありますが、乗務員さんが必ず1~2名乗っているそうです。非常時は安全を確認し、乗客を適切に案内してくれます。 最もダメなのが、勝手にドアコックを使って扉を開けたり、窓から線路に降りることです。非常時なので線路を歩いての避難となる可能性もありますが、その判断は総合指令所の指令員さんが行い、乗務員さんと最寄り駅の駅員さんに避難誘導を指示してからになります。乗客が勝手に行うことは絶対にNG! 乗務員さんの指示がない段階で、他の乗客が線路に降りてしまったときも、その流れに乗って外に出ないように注意してください! 「東京メトロの場合は駅と駅の間隔が短いので、次の駅まで走行してから避難をしていただく等の対処をするのが基本で、結果的にそれが最も安全だと考えています。 線路に降りていただくのは、立ち往生してしまったときなどの緊急時のみで、その場合も必ず駅員と乗務員が誘導します。その際は乗務員が車両の前面に非常階段を設置するのですが、それよりも前にお客様の判断で線路に降りないでください。 車内から線路に飛び降りること自体が危険ですし、線路内も足場が悪いほか、特に銀座線と丸ノ内線では線路脇の送電用レールに高圧の電気が流れいて、感電の危険もあります。他にも反対側の線路を走ってきた電車に接触することも考えられ、二次災害を発生させないためにも、絶対におやめください」(木暮さん)