【詳細データテスト】マセラティ・グラントゥーリズモ 快適志向のGT ただしドライビングも楽しめる
ドライ制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温20℃ 30-0マイル/時(48km/h):8.2m 50-0マイル/時(64km/h):23.1m 70-0マイル/時(80km/h):44.5m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.66秒 ■ウェット制動距離 テスト条件:ウェット路面/気温20℃ 30-0マイル/時(48km/h):12.5m 50-0マイル/時(64km/h):34.4m 70-0マイル/時(80km/h):70.1m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.67秒
結論 ★★★★★★★☆☆☆
V6ターボと4WDを得て生まれ変わったマセラティ・グラントゥーリズもは、じつに楽しいクルマだ。BMW8シリーズやメルセデスAMG GTでは太刀打ちできない、エキゾティックな車名とルックスも備えている。 パフォーマンスもライバルと競えるものだが、AMGやフェラーリ・ローマ、アストン・マーティンDB12などが追求する、スポーツGTとして他に先んじようという争いには加わらなかった。その代わり、日常使いでの快適性や実用性で大きく上回るべく、しなやかなエアサスペンションや良好な遮音性、2ドアクーペとしては広いキャビンなどを備えた。自分の役割を把握し、それを納得いくように果たしている。 問題は、洗練度が多少足りないことだ。エアサスペンションにはやや未熟さが感じられ、インテリアのクオリティはかなり一貫性に欠ける。価格が8シリーズと同等なら魅力的な選択肢だが、アストンと同等では正当化するのが難しい。 ■担当テスターのアドバイス ◆イリヤ・バプラート モデナならトロフェオより3万ポンド(約558万円)安く、より控えめなデザインのバンパーやシルバーのウインドウトリムによってやや高級感が増し、しかもパワーは490psもある。個人的には、どちらを選ぶか迷う余地はない。 ◆マット・ソーンダース もっとも辛口の走行モードであるコルサを選ぶと、エアサスペンションは車高をもっとも低くするが、それは50km/h未満でないと作動しないらしいので、ストレートが近づいてきたら素早く操作しないと、もっとも速く走る状態を体験できない。 ■改善してほしいポイント ・ダンパーに磨きをかけて、コントロールの向上を。 ・インテリアの問題あるマテリアルを取り去ってほしい。 ・オプションの方針を念入りに見直して、適正価格でもっといいボディカラーを設定してもらいたい。
マット・ソーンダース(執筆) イリヤ・バプラート(執筆) ジョン・ブラッドショー(撮影) 関耕一郎(翻訳)