“無断生成AI”に声優らが「NO」 その一方で…がんで失った声、“AIで取り戻す”技術も
日テレNEWS NNN
生成AIで人気声優の声を基に作られた「声」が無断利用されていることに、声優たち自らが呼びかけを行い話題になっています。13日、声優業界が集まって、新たな動きがありました。 ◇ 日本俳優連合 池水通洋副理事長 「声優たちは心外であります。(無断で)AIを使って歌わせたり、好きなことをしゃべらされている」 13日、強く訴えたのは、声優業界に関わる3つの団体。問題視していたのは、生成AIに無断で声優たちの声を学習させる「AIカバー」と呼ばれる動画などです。 会見では、音声生成AIの扱い方について、アニメや海外映画の吹き替えで使用しないこと、学習させる際は本人の許諾を得ること、生成物にはAIと明記することなどを求めました。
個人の声に著作権が認められていない中、いま、人気声優たちが自ら“呼びかけ”を行い、話題になっています。声をあげた1人、声優の梶裕貴さん。 「進撃の巨人」でエレン・イェーガー役など 梶裕貴さん 「作品を作ってきた身としては、やっぱり納得できないというか、残念な気持ちはありますね」 ただ、“音声生成AI”そのものを否定しているわけではありません。 梶裕貴さん 「向き合っていかなきゃいけないタイミングが来た」 梶さんが目指すのは、ルールを明確にして、AIと共存する未来。第一歩として、いま取り組んでいるのが、自身の声をAIに学習させた音声合成ソフトの開発です。 梶さん 「本人が公式として出すことによって、無断生成というものが良くないものだという認識に捉えていただけるきっかけにもなるのかなって。(生成AIは)使い方さえ間違えなければ、プラスに働くものばかりだと思う」 ◇ その「音声生成AI」、いま“意外な場所”で広がっています。 『news zero』が出会ったのは、都内に住む北川充生さん(71)。喉にできたがんの治療のため、今年7月に声帯を摘出し声を失いました。そこで使っていたのが、生成AIアプリです。