“無断生成AI”に声優らが「NO」 その一方で…がんで失った声、“AIで取り戻す”技術も
「いいたいことは自身の声で十分伝えられます」 (スマホの生成AIアプリに)文字を入力して流れてきた声は、生成AIアプリに事前に北川さんの声を学習させ、再現したものです。 下咽頭がんで声帯摘出 北川充生さん(71) 「自分で話すことができないわけですから、自分の声がこれからも残っていくのはうれしいことです」 このAIアプリは民間のIT企業「CoeFont」が開発し、病気などで声を失った人たちに無償でサービスを提供、約650人が利用しています。
実は北川さんは50年以上、夫婦でバンド活動し、ボーカルを担当。 北川充生さん(71) 「(医師から)声帯摘出が必須で、声を失うことを知らされました。悪い夢なら早く覚めてほしいと願いました」 声を失うことには一時、絶望したといいますが、親戚からの紹介で音声生成AIに出会えたことで、前を向けたといいます。 北川充生さん(71) 「自分の声を残せたことは、本当に価値のあることだと思います」 息子・陽介さん 「コミュニケーションとる機会増えた。(音声AIは)1つになれるいいツールなのかなって思います」 ◇ さらにいま、このAIアプリに“ある技術”を追加し、より使いやすくする開発も進んでいます。大阪大学で見せてもらったのは… AI計測システムが専門 大阪大学大学院・御堂義博特任准教授 「口をパクパク動かすという自然な動きで声が発声できる」 口の動きをカメラで解析することで、話したい言葉を発声できる「読唇AI技術」です。
試しに学生が「手首が痛くて力が入りません」という口の動きをカメラに読ませると、約1秒で解析し再生しました。 現在は患者が病院で使う言葉を中心に開発を進めていますが、将来的には日常会話もできるようにしたいとしています。 大阪大学大学院・御堂義博特任准教授 「日常的に話している動作にできるだけ近い状態で、声を失ってしまった方々がお話しできる未来を実現できれば」 がんで声を失った北川さんも… 北川充生さん(71) 「ぜひ私も使ってみたいです。こんな時代にいられることを、私自身、本当に幸せなことだと思います」 (11月13日放送『news zero』より)