最新の平均寿命から考える「老後対策」3選。厚生年金と国民年金はいくらか
7月26日に厚生労働省が公表した「令和5年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命が81.09歳なのに対して、女性の平均寿命は87.14歳となり、前年と比較して男性は0.04年、女性は0.05年上回る結果に。 ◆【年金の平均額を確認】厚生年金と国民年金の年金月額階級別の受給者数を棒グラフでチェック また、同資料によると、昭和22年の平均寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳であることから、この数十年で平均寿命が30歳以上も高くなっていることがわかります。 このように日本では平均寿命が大幅に延び続けており、結果として老後生活の期間も長くなっています。 では、現在の平均寿命まで老後生活を送る場合、資金面でどのような課題が生じるのでしょうか。 本記事では、老後の収入源となる公的年金の平均額から、老後の家計収支シミュレーションを紹介していきます。 最新の平均寿命から考える「老後対策3選」についても紹介しているので参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
老後の収入源「厚生年金と国民年金」は平均いくら?
まずは、老後の収入源の柱となる「公的年金」の平均月額と受給割合から確認していきましょう。 公的年金には「厚生年金」と「国民年金」があり、この2つは二階建て構造となっています。 ・国民年金(1階部分):日本に住む20~60歳が加入対象、保険料は一律 ・厚生年金(2階部分):主に会社員や公務員が加入対象、保険料は収入によって変動 厚生年金は、2階部分にあたるため、加入している場合は「国民年金」に上乗せする形で年金を受け取れます。 では、厚生年金と国民年金それぞれの平均月額・受給者数を確認していきましょう。 ●厚生年金の平均月額・受給割合 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額・年金月額階級別の受給者数は下記のとおりです。 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】 ・全体の平均月額:14万3973円 ・男性の平均月額:16万3875円 ・女性の平均月額:10万4878円 【厚生年金の年金月額階級別の受給者数】 ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 前述したように、厚生年金は国民年金に上乗せする形で受給されるため、国民年金よりも年金額が多いです。 また、年金月額階級別の受給者数をみると、1万円未満から30万円以上まで幅広く分布していることがわかります。 厚生年金の受給額は、厚生年金加入者の現役時代の収入や加入期間に応じて算出されるため、個人間で大きな差が生じているのでしょう。 では、保険料が一律である国民年金の平均月額はどうでしょうか。 ●国民年金の平均月額・受給割合 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額・年金月額階級別の受給者数は下記のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・全体の平均月額:5万6316円 ・男性の平均月額:5万8798円 ・女性の平均月額:5万4426円 【国民年金の年金月額階級別の受給者数】 ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 国民年金は保険料が一律であることから、厚生年金よりも受給額に個人差が少なく、年金月額階級別の受給者も6~7万円台に偏っています。 2024年度の国民年金の満額は「月額6万8000円」であるため、満額に近い水準の年金額を受け取っている人が多いとうかがえます。 ここまで厚生年金・国民年金の年金額を確認して、「少ない」と感じた方もいるのではないでしょうか。 では、平均的な年金額を受給した場合、年金だけで老後生活は送れるのでしょうか。 次章にて、家計収支のシミュレーションをしていきましょう。