「三木監督がいいチョイスをした」FA茂木の人的補償 球界OBが着目した楽天・三木監督の"野球脳"とは
楽天は8日、FAでヤクルトへ移籍した茂木栄五郎の人的補償として、小森航大郎を獲得することに合意したと発表した。小森は宇部工高から21年ドラフト4位入団。右投げ右打ちの内野手。 【動画】復活が待たれる「神の子」の快投 田中将大の変幻自在投球をチェック プロ3年目の昨季は、9月にプロ入り後初めて一軍登録され、4試合に出場するも5打数無安打に終わっていた。 また、小森の特筆すべき点といえば、足だろう。昨季ファームでは110試合に出場し、打率・252、2本塁打、23打点、24盗塁をマーク。イースタン盗塁王に輝く、韋駄天選手としても知られる。 1軍実績はないが、素材型の選手を指名した今回の楽天の指名に関して、球界内からも様々な考察の声があがっている。 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は8日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「【速報】楽天が茂木栄五郎の人的補償に2軍盗塁王の小森航大郎を獲得!!楽天の三木監督の野球で開花する?速報でお伝えします!【プロ野球】」と題した動画を更新。今回の楽天の指名に独自の見解を語っている。 高木氏は小森に関して「特徴とすれば、足が速いということ。去年からスイッチヒッターに挑戦している。有望視されていたと思うけど、楽天に引き抜かれた」とコメント。 「若いからいろいろなことに挑戦できる」としながら、ヤクルト側もプロテクトしなかった理由としては、今季が高卒4年目シーズン、1軍実績もまだ少ない中で獲りにいかないという目論見もあったのではとした。 また今季から再び1軍の指揮を執る三木監督に関しては「四つ相撲ではなく、いろんな形で相手を崩していく。そのために一枚、足が欲しかったのかな」と分析した。三木監督といえば、ヤクルト時代には野村克也監督の薫陶も受けた野村チルドレンの一人。野球脳の高さでも知られているとあって、うまくチームにフィットさせると見る。 小森の打撃については「打ち方を見ていると癖がない。コンパクトに打とうとしているし、形的には持っている選手かなという感じはする。(楽天は)左バッターは目立って、いい選手がいる。ただ、右がバランス的に少し足りない」と補強ポイントに合っているとした。 1軍実績がない素材型の選手を指名したが、結果としてしっかりチームの穴を見据えての補強になっていることで高木氏も「三木監督がいいチョイスをしたのかな。よく見ている。小森にとってはすごいチャンスをもらえる気がする」と明言。 現役時代の三木監督は使い勝手のいい選手だったとした上で「そういう感性を教えてもらうと、うまく育つ気がしてならない。チームの中心ではないような選手だけど、絶対いなきゃいけないような選手って、いる」と新天地での飛躍を期待した。 昨季リーグ4位に終わった楽天においては、ドラフトでも人気ナンバーワン遊撃手の宗山塁を獲得。今季の戦いへ期待を高めている。新たに獲得した選手をどのように勝利へのピースにあてはめていくか。三木監督の手腕にも引き続き、注目が集まりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]