どうして!?…株価暴落局面、急いで「損切り」したのに(涙)。価格がアッサリ戻る、株式相場の切なすぎる実情【経済評論家が解説】
投資初心者、暴落でパニックとなり「狼狽売り」しがち
株価暴落が「売りたくない売り」を誘発すると、株価が理屈で説明しにくいほど値下がりすることがあります。そうなると、投資初心者のなかにはなにが起きているのか理解できず、「この世の終わり」が来そうな気がして狼狽売りをしてしまう人が少なくないのです。 とくに「だいぶ値下がりしたから、この値段で買えば儲かるだろう」と考えて買った投資初心者は、その後も値下がりを続ける株価を見てパニックになりがちです。これが一層株価を押し下げるので、一層多くの投資初心者がパニックになり狼狽売りをするのです。
投機家、狼狽売りを見越して「予め売っておく」ケースも
このように、ひとたび株価が暴落すると、暴落が暴落を加速させるメカニズムが働く場合があります。それを知っている投機家たちは、株価が最初に暴落した時点であらかじめ持っている株を売っておく場合があります。 本稿のなかでは暴落、売りたくない売り、狼狽売り、投機家の売り、の順番で登場しましたが、実際の売りの順番は暴落、投機家の売り、売りたくない売り、投資初心者の売り、です。
初心者が狼狽売りすると株価が戻るワケ
投資初心者が狼狽売りを終えると、株価がスルスルと戻っていく場合が少なくありません。売りたい人はすべて売り終わっていて、売り注文がほとんど残っていないため、少量の買い注文でも株価が大きく上がるからです。 投機家たちは、あらかじめ売っておいた株と同じものを、売ったときよりはるかに安い価格で買い戻せるでしょう。機関投資家の担当者も、休暇から戻って来て売ってしまった株を買い戻すでしょう。借金で買っていた投資家たちも、株価が戻れば銀行が融資を再開するので、再び買うかもしれません。 狼狽売りをした投資初心者だけは、「ええっ、どうして!?」「もう、株なんかコリゴリだ。二度と買わない!」などと考えるかもしれませんが、これは大変にもったいないことです。狼狽売りで安く売ってしまったことに加えて、将来にわたって株式投資で儲けるチャンスを自ら放棄するわけですから。