どうして!?…株価暴落局面、急いで「損切り」したのに(涙)。価格がアッサリ戻る、株式相場の切なすぎる実情【経済評論家が解説】
株価が上昇している局面では、投資家も楽しく相場を見守れますが、何かをきっかけに急落したらとても冷静ではいられません。そんなとき初心者は、慌てて株を売り払いがちですが、そんなときに限ってすぐに株価が戻り、悔しい思いをしてしまいがちです。なぜそのようなことが起こるのでしょうか? 投資経験豊富な経済評論家の塚崎公義氏が解説します。 国民年金・厚生年金「年金受取額」分布
株価はときに「暴落」するもの
平均株価は、ときに暴落します。悪いニュースが流れて暴落する場合もあれば、悪い噂が流れただけで暴落する場合もあります。その時々の市場の気分によっても、暴落するか否かは左右されるのです。 問題は、株価が暴落すると「売りたくない売り」等々がでてきて、株価が値下がりし続ける場合があることです。理屈では説明できないほどの値下がりに直面すると、投資初心者はなにが起きているのか理解できず、「この世の終わり」が来るような気がして「狼狽売り」をしてしまう場合も多いようです。 これは大変にもったいないことなので、ぜひ株価暴落が増幅するメカニズムを理解し、狼狽売りをしないですむように、心の準備をしておきましょう。
暴落すると「売りたくないのに売らざるを得ない」人が出てくる
値上がりすると思う人が買い注文を出し、値下がりすると思う人が売り注文を出し、両者が均衡した所に株価が決まる、というのが通常時の姿です。しかし、株価が暴落すると、「売りたくないのに売らされる」人が出てきます。そうした人の売り注文が、値下がりを加速させるのです。 たとえば、銀行からの借金で株を買っている人は、株価が暴落したとき「1,200円に値上がりすると思って1,000円で買った株が800円に値下がりした。さらに借金をして800円で株を買い増せば、大きく儲けられる」と思っているでしょう。しかし、銀行としては「株価が値下がりしたので、借り手が倒産するかもしれない。急いで返済を要求しよう」と考えるはずです。そこで、「買い増ししたいのに、借金返済のために泣く泣く売る」ということが起きるのです。 機関投資家のなかには、担当者に「損切り」のルールを課しているところも多いといわれています。「損失が一定以上に膨らんだら、持っている株を全部売って休暇を取って頭を冷やしてこい」というルールです。損失が無限に拡大するのを防ぐ目的なのでしょうが、担当者は悔しいでしょうね。上記投資家と同じ気分でしょう。