暗闇ボクシングb-monster、9年目の改革 事業譲渡後のサービス整理、制度導入…現運営の未来図
現場の自発性に委ね、効果検証も
新しく導入された「NEO Program」は、現運営が注力しているもので、「今までのプログラムと根本的に違う」と東氏は説明する。 「従来のプログラムは“b-monsterとしてこうしたい”という発想に基づいたものが多かったのですが、NEO Programではその軸を“パフォーマー(b-monsterにおけるインストラクターの呼び方)として”に移しました。 あらためてパフォーマーたちに『今後どんなことをしていきたいか』をヒアリングをすると、熱量を持って『こういうことがしたい』と話してくれて。それが『祭』であったり『アニメ』だったり、これまでにないジャンルでした」 プログラム中に流れる音楽は基本的に洋楽。セットリストはパフォーマーが組むが、世界観が異なるものを取り入れるのは難しかった。あらかじめプログラム自体の新しいテイストを打ち出しておけば、既存のプログラムに慣れた利用者にも受け入れられやすいのではないか、という狙いだ。 「強いのはパフォーマーがやりたいことが実現できる組織。トップがそれを抑圧してしまうとその逆になります。ヒアリングをして驚いたのは、多くのパフォーマーが自発性を強く持っていたこと。パフォーマーが楽しく働いている姿を見せるという面でも、肝入りの施策でした」 他方、自発性を重んじることで、ブランドとしての統一感が薄れることはないのか。これについて、東氏は「ブランドはスタッフの根っこに染みついているもの」「少し表現の幅を広げたくらいで崩れるものではない」とした。同時に、ここで重要になるのが利用者がフィードバックする「Happy or Not」の新制度だという。 プログラム終了後、利用者がフロントで「Happy」かそうでないかの定性的なフィードバックをする。「パフォーマーがやりたいことの先には、必ずお客様の満足がなければいけない」「逆に言えば、それさえ達成できているのであれば、上手くいっているチャレンジだということ」(東氏)。 事業譲渡が決まるまで、インストラクターの退職が相次いでいたb-monster。しかし、人員配置だけでなく、コスト面の見直しも必要で、東氏は「一部やむを得ずサービス終了せざるを得ない状況もあった」と振り返る。3月にはポイントサービスの「b-monster coin」のサービス終了や、アメニティの白手袋プレゼントの終了も発表された。 現在は、冒頭の人気インストラクターの例のような“出戻り”もみられ、「スタッフが団結している」と東氏。 「いわゆる選択と集中」で「当面の課題は落ち着いてきた」と明かす。 「パフォーマーたちに伝えているのは、とにかくお客様に熱狂していただこうということ。今、やる気が溢れている状態なので、とても良い形で再スタートを迎えられていると感じます」(東氏)