暗闇ボクシングb-monster、9年目の改革 事業譲渡後のサービス整理、制度導入…現運営の未来図
b-monsterというカテゴリを作る
b-monsterとしては9年目。引き継いだワールドフィット社は2017年に創業、8年目で全国にパーソナルトレーニングジム「BEYOND」を120店舗以上出店している。今後、どのような方針でb-monsterを運営していくのか。高城氏は「“暗闇系”とひと括りにされるのではなく、“b-monster”というカテゴリを作っていきたい」と語る。 しかし、同社が得意とするパーソナルジムの運営と、b-monsterのようなスタジオ型ジムの運営は、同じフィットネス業界とはいえまったく異なるもの。今回、事業譲渡を進めることにした理由を高城氏に尋ねた。 「総合フィットネスカンパニーである弊社には、パーソナルトレーニングジム事業、サプリメント事業、フィットネスウエア事業、そして近くオープン予定のマシンピラティス事業があります。 一方で、お客様にとってみると、もちろん合う合わないがある。例えば筋トレが嫌いというお客様に、有酸素運動、それもエンターテイメントの要素があるb-monsterという選択肢を提示できることは大きなメリットだと感じました」 パーソナルジムを展開してきた同社には「運動が苦手な方から避けられがちな『筋トレ』というパラダイムからなかなか離れられない」という危機感もあったという。「まだまだ少ない日本のフィットネス人口を増やすことを考えたとき、BEYONDだけでは根本的なアプローチができないと思っていた」(高城氏)ためだ。 ポートフォリオにb-monsterが加わること「さまざまなフィットネスを楽しんでもらえるワールドフィット社」を実現するのが狙いだが、「b-monster自体も『ビーモンはキツイ』というパラダイムの中にある」とも感じていた。そこで、前述の「NEO Program」のように、エンタメ要素が強いものを実験的に展開している。 「エンターテイメントの要素で間口を広くしつつ、運動効率が良いというのは、フィットネスとして稀有なサービスです。また、それが高い知名度を誇るというのも、事業として魅力的でした。 初心者の方に向けた展開だけでなく、すでにサービスに愛着のある中級者、上級者の方のことも、大事にしたい。『Happy or Not』の導入にはそうした想いもあります。コアコンピタンスは守りながら、変化を加えていきたいですね」 同社でb-monster事業の責任者になった竹内氏は「“暗闇系”というジャンル自体が少し落ち着いてきてしまったイメージがあるのでは」と指摘する。一方で、「現場のパフォーマーと話すと、一時の流行りというよりは、もっと奥深いものだと感じます」とも話す。 「プログラムの選曲や動作のメニュー、キューイング(声かけ)など、パフォーマーたちにより一から手間暇かけて作られているものが、まだまだ世間に知られていない。ですので、もっと多くの方にb-monsterの楽しさを知っていただくことが第一の目標です」(竹内氏)