「うなぎの骨」を活用して新感覚のラーメンに!築地「山田のうなぎ うな骨らーめん」
ぐるなびが主催する2024年「今年の一皿」にも選ばれた「うなぎ」。そんなうなぎのある部分を活用したラーメンが話題を呼んでいる。中央区築地にオープンした「山田のうなぎ うな骨らーめん 築地本店(以下、うな骨らーめん)」だ。 【写真】「山田のうな骨らーめん」トッピングと麺の秘密をクローズアップ! 「うな骨らーめん」は、大分県佐伯市に本社を置いて水産加工などを行う山田水産株式会社が運営。同社では20数年前から鹿児島でうなぎの養殖と加工事業を手がけ、“鰻師” と呼ばれる専門の職人が無投薬で育てた良質なうなぎを蒲焼に加工している。 そんな同社が頭を悩ませていたのが加工の過程で出る大量のうなぎの骨。年間約1000トンのうなぎを加工し、その約6%が廃棄量に相当するという。常務取締役の岡田賢ニさんは開発の経緯を「やっぱり鰻は貴重な資源。加工の過程で出てくる骨や頭を何とか商品化しようと試行錯誤した結果、ラーメンのスープにすれば骨まですべておいしくいただける」と説明する。 同社では2年前から自社で加工したうなぎを「山田のうなぎ」ブランドで商品化しており、「うな骨らーめん」も同ブランドの一環として出店することに。有田焼の窯元を探して制作したオリジナルどんぶりで提供する。
早速、人気メニューの「山田のうな骨らーめん・小うなぎ飯セット」を注文。「うな骨らーめん」はその名の通りうなぎの骨をじっくり煮込んでスープを取り、一杯に約10匹分のうなぎの骨を使用。麺はストレートの細麺で、うなぎの蒲焼、漬け卵黄、しそ・青ねぎ・しょうががトッピングされている。見た目は豚骨のように白濁したスープだが、焼いた骨の香ばしい香りが漂い、食べてみると意外とあっさりした上品な味わい。脂の乗ったうなぎの蒲焼と漬け卵黄のコク、さっぱりした薬味のバランスが絶妙で、通常のスープより塩分が抑えめなのもうれしい。
らーめんを食べた後にちょうどいい「小うなぎ飯」は、あきたこまちを使用し、ふっくらしたうなぎの蒲焼との相性も抜群だ。半分食べたところで残ったスープをかけ、スープ茶漬けにしても絶品。サイドメニューとして単品のうなぎ蒲焼や白醤油焼などもある。 「うなぎは少し敷居が高いかもしれないが、ラーメンを食べにきてうなぎを一緒に食べることで、うなぎの敷居が下がって皆さんが食べていただくきっかけになれば」と岡田さん。オープンしたばかりの同店だが、すでに近隣住民やラーメン愛好家、海外の観光客など幅広い客層に好評を博しているという。