ジョコビッチ、かつてのライバルと挑む全豪オープン「隠しあっていた情報を今では共有している」【テニス】
ジョコビッチ、マレーをコーチに全豪オープンに挑む
今年最初のグランドスラム「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)。1月12日の開幕を前に、今大会で11度目の優勝を狙うノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク7位)が記者会見に出席。今季からコーチに就任した元世界ランク1位のアンディ・マレーとの取り組みについて語った。 【動画】ジョコビッチ、かつてのライバルだったマレーとともに全豪オープン会場で練習 37歳のジョコビッチは、昨季はパリ五輪で悲願の金メダルを獲得し、史上5人目となるゴールデンスラムを達成した。しかし、ツアーでは実に2005年シーズン以来、19年ぶりにタイトルを獲得できず、悔しいシーズンを過ごした。 昨年のパリ五輪で現役を引退した元世界ランク1位のマレーを11月にコーチとして招へいし、心機一転で迎える2025年。最初のグランドスラムとなる全豪オープンは最多10度の優勝を誇り、今大会でツアー通算100勝と男女通じて史上最多25度目のグランドスラム優勝を狙う。 20度目の出場となるジョコビッチは、「オーストラリアに来るようになって20年というのは素晴らしい数字だね。この地は僕にとって最も成功を収めたグランドスラムの場所だ」と改めて全豪オープンでの戦いを振り返る。 「2005年に初めてグランドスラムの予選を突破し、1回戦ではセンターコートでマラト・サフィンと対戦した。僕にとってはとても短い試合(0-6,2-6,1-6と1時間14分で敗戦)だったけど、彼はそのあと優勝した。特別な経験が僕に大きな夢を抱かせ、『グランドスラムで優勝できる』という信念を与えてくれたんだ。3年後、同じコートで僕は初めてグランドスラムタイトルを獲得したのは素晴らしい思い出だ。またここに戻ってこれたことがうれしい」と感慨に浸り、2008年と2023年の優勝が特別だったと話した。 また、マレーを招へいしたことについて、「複数のグランドスラムを制した経験のある人を希望していた。彼は期待やプレッシャーに直面した経験があり、それを乗り越えてきた人物」と精神面で大きな力になってくれるだろうという。 ツアーでは36度の直接対決があり、対戦相手として知り尽くした仲。「コーチとして初めて経験することも多いが、彼のテニスIQが高いのは明らか。必要な時に的確なことを言い、聞くべきことを聞くタイミングも素晴らしい。彼とのライバル関係で、互いに隠しあっていた情報を今ではすべて共有している。そのギャップを埋めるプロセスが興味深く、効果的だと思う」と戦術面でも助けになるとしている。 ジョコビッチは1回戦でワイルドカード(主催者推薦)で出場の19歳、ニシェシュ・バサバレティ(アメリカ/同133位)と対戦。「ワイルドカードでセンターコートに立つ彼にとっては、失うものが何もない状態。大いに意気込んで挑んでくるだろう。どの試合でもそうだが、真剣に臨み、勝利を目指すよ。同時に、彼とコートを共有するこの素晴らしい瞬間を楽しみたい」と胸を貸すつもりだ。
Tennis Classic 編集部