頬張る喜びに満ちたマグロリアン! コース6,600円からの三田の立ち食い寿司
握り8貫6,600円から! 麗しき寿司の数々に酔いしれる
「若い人でも足を運べる、肩肘張らない店を目指した」と言うように寿司は1貫440円から、コースは鮪3種を含むおまかせ握り8貫6,600円、10貫8,800円と日常使いしやすい。しかし寿司は味も見た目も高級店と遜色ない一級品だ。
例えば、この日のコースの1貫目に登場した茨城県日立産のカサゴダイは、隠し包丁による皮目と身のコントラストが美しい。塩をして寝かせてから、煎り酒に漬けており、肉厚なカサゴダイの味わいを醤油とはまた違った角度から優しく引き出している。
兵庫県淡路産の「スミイカ」は塩をふって2時間ほど脱水しており、スダチと醤油で味付け。歯切れの良いスミイカは噛んでいくほどにねっとりとした甘さが口の中に広がり、スダチの爽やかさがワサビの良質さを際立たせる。同店では静岡県筏場のわさび、和歌山県の九重雜賀の米酢、長野県の永井農場のあきたこまちの古米、ヒゲタしょうゆの本膳を使用。どれも「鮨 三か田」をオープンするにあたって聖さんが厳選したものだ。
山本さん「寿司の本格感とはある意味コントラストのある、立ち食いのカジュアルな雰囲気が魅力的。」
千葉県勝浦産の「金目鯛」も、シンプルながら素材の上質さを引き出す仕事ぶりが光る。塩をして寝かしてから、皮を湯引きしてあり、弾力と品の良いうまみが印象的だ。
コース後半で登場した長崎県対馬産の「穴子」からも、聖さんの仕事の丁寧さが窺える。「穴子」を身が崩れないギリギリの加減でゆっくり蒸しあげることで、驚くほどのふっくら、ホロホロ食感で、正統派のツメが穴子のうまさを引き立てている。
山本さん「おまかせ6,600円でこのクオリティの寿司を食べられるのはやはり立ち食いならではで、立ち食いでちゃんとしたお寿司を提供するというお店は増えてきているものの、その中でもちゃんとしていらっしゃるなと思いました。」
マグロ使いに感服する3種の握りと、頬張る喜びに満ちた「マグロリアン」
うれしいのはコースを頼むと大トロ、中トロ、赤身3種が味わえることだ。同店ではマグロはやま幸、米彦から、それ以外のネタは大力商店、マルツ尾清から魚を卸してもらっている。