保育園の「入所前健診」めぐり混乱か 那覇市と園長ら認識に食い違い 保育団体「市は早急に協議の場を」 沖縄
那覇市と市内保育施設の間で情報伝達に齟齬(そご)が生じ、2025年度の保育施設入所手続きの一部に混乱が起きる懸念が出ている。 那覇市は、約30年前から続く保護者負担による入所前の健康診断手続きを廃止し、来春から児童福祉法に基づいて園が実施する入所前の健診に切り替える方針だ。ただ、保育施設の園長らは、市の説明不足により健診提出の廃止とだけ受け止めている。 その結果、社会福祉法人立保育園那覇市園長会(ウィンフィールドひろみ会長)と法人立那覇市認定こども園園長会(屋我誠会長)は16日、従来通りの健診手続きを求める意見書と保育士などから集めた約1800筆の署名を市や市議会に提出した。 アレルギーや基礎疾患に関する事前情報がないまま乳幼児を受け入れることで、保育事故のリスクが高まることを懸念している。市は意見書の内容を精査し、改めて説明する考えを示した。 その後の本紙取材に対して市は、来春から「児童福祉施設設備及び運営に関する基準」で定めた入所時の健康診断を園長判断で前倒しして、内定段階の乳幼児に実施できる仕組みに切り替えると説明した。費用は4月以降に園に支払う給付金で対応するという。
意見書を提出した両会長は、健診の前倒し案について「事前に聞いていない。理解していればわれわれの対応も異なっていた」と主張。一方の市側は「10月の事前説明会に伝えた」という立場だ。 来年2月ごろには次年度の入園手続きが始まる。混乱のしわ寄せは保育現場や入所児に及びかねないため、両会長は「保育現場に影響が出ないように、市は早急に協議の場を設けてほしい」と訴えた。
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