JR貨物脱線、機関車ほぼ水平取り戻す 完了次第、レールに載せる作業に移行 川内駅 代替バスの運行も始まる
鹿児島県薩摩川内市平佐町のJR川内駅構内で12日未明に発生した貨物列車の脱線事故を受けて、運休が続く鹿児島線川内-隈之城間の代替バスの運行が16日、始まった。運行再開まで当面の間続ける。 【写真】〈脱線した機関車の傾きを写真で比べる〉左は水平に近づく機関車(16日午前8時半ごろ)。右は傾いた機関車を水平にする作業員(15日午前10時ごろ)=いずれも薩摩川内市の川内駅
列車の再開の見通しは立っておらず、九州新幹線による川内-鹿児島中央間の振り替え輸送は続ける。 代替バスは4台が午前6時から川内駅東口と隈之城駅前をピストン輸送した。川内駅では高校生らがJRの職員に列車の定期券を見せ、次々と乗り込んだ。 出水市からいちき串木野市の神村学園に通う高等部1年の女子生徒は事故翌日、九州新幹線で鹿児島中央駅まで行き、鹿児島線で折り返して登校した。「バスの方が早く着くため助かる。早く元通りの生活に戻ってほしい」と話した。 脱線現場では同日午前9時過ぎから、運輸安全委員会の鉄道事故調査官が3日ぶりに現場に入り車両やレールを確認した。17日は関係者への聴取を進める。 JR九州とJR貨物は16日、前日に続き現場に残る2両のうち機関車を水平にする作業をした。完了次第、機関車と貨車をレールに載せる作業を始める。 貨物列車は12両編成。12日午前3時ごろ、先頭の機関車1両と続く貨車2両が脱線した。
南日本新聞 | 鹿児島