IT専門家として1日で最大10番組にも出演する三上洋さんが28年ぶりの単独著書を刊行!
大企業や行政へのサイバー攻撃からマイナンバーカードのトラブルまで。IT界隈のトピックスがあれば、連日メディアに登場。そんな、三上洋さんの新刊『深掘り! IT時事ニュース――読み方・基本が面白いほどよくわかる本』はイラストが多く、最新のIT用語からそのシステム概要までわかりやすく解説しているのが特徴。 【書影】『深掘り! IT時事ニュース――読み方・基本が面白いほどよくわかる本』 * * * ――ただ、これが三上さんにとって"28年ぶりの単著"というのも驚きです。 三上 文章を書くのが面倒くさいんですよ(笑)。当初は担当編集さんから「半年で仕上げましょう!」と言われたのに、完成まで4年もかかるという......。 IT関連の話は4年前と現在では、ガラッとその内容が変化していることも多く、始めに作っていた部分はほぼ書き直しになりました。 これでも私、高校時代からライターをやってたんですよ。当時からラジオや無線、映像機器が趣味なので、専門誌で記事を書いてました。 でも、大学卒業後にテレビの制作会社に就職したんです。文章を書くよりテレビやラジオといった放送メディアが好きだし、ずっと憧れでしたから。 ――憧れだったテレビマンの仕事は? 三上 朝の3時に退勤して、3時5分には出社のタイムカードを押す生活です(笑)。"ADは蹴って育てる!"という時代でしたから、それもキツすぎて2年で辞めてしまいました。 それから、30歳ぐらいまでずっと無職。31歳になって高校時代の仲間に誘われ、フリーライターとして働くようになりました。 ――ライターとしてはどういった仕事を? 三上 ちょうどインターネットが普及し始めた時期で、「インターネットで◯◯を△△するのは危険!」「◯◯のファイルは△△を使うと入手できるが、使うと危険!」と、インターネットの"危ない部分"を紹介するような記事を作っていました。 ――この仕事で現在の三上さんスタイルが確立されたのですね。 三上 そんなんじゃないんです。注意喚起という体でインターネット上のグレーな部分を紹介する雑誌のライターでしたから。それこそアダルト要素も強く「モザイク除去ソフト完全ガイド」みたいなのもやってたので、今だとアウトでしょうね。ただ、この時期にWindows95の導入に関するマニアックな単著も出版しました。 ――ほかにはどんな仕事をしていたのですか? 三上 実は、編集部が丸ごと潰れちゃったんですよ。その雑誌はソフトバンクから出版されていたんですけど、編集長が孫正義さんに呼び出され、戻ってきたら「作業、やめていいよ。雑誌なくなるから」と。 ――1990年代後半といえばパソコン関連雑誌の黄金期だったのでは? 三上 インターネットが一般的にも認知され、そのグレーな部分も知られるようになったのが90年代後半なんです。ソフトバンクも会社としてより大きくなるためには、こういったグレーでアダルトな要素の強い雑誌は不要だったんでしょうね。 ちなみに、この当時の私が作っていた記事が発掘されたら大炎上すると思いますよ(笑)。現在では超大手な会社も、当時は牧歌的な雰囲気だったんですよね。