4000種を知るお米のプロが伝授「注目の品種12選」 オススメなのは山形県「つや姫」だけじゃない!
お米はかつて、政治や経済と密接に関係し、お米を巡って争いやもめ事が起きていました。第二次世界大戦中には、「米穀配給通帳」というお米の配給を受けるための通帳が配られ、これがなければお米を手に入れられないだけでなく、身分証明書の機能も果たしていました。 時代は進み、2024年の今、米不足によりお米の値段が上がり、家計を圧迫しています。そんな状況から、日々のニュースを気にしながら見る方も少なくないでしょう。今も昔も、お米は私たちになくてはならない存在です。しかし、お米について知らないことがたくさんあります。 【図でみる】もっちり、あっさり、硬め、やわらかめ…「お米の食感チャート」で特徴をチェック
今こそ知っておきたい「お米の教養」について、4000種以上のお米を食べてきた「おこめ鑑定士」である芦垣裕氏による新著『米ビジネス』より一部抜粋、再構成し、3回にわたってお届けします。 初回の記事では、「押さえておきたい品種」について解説します。 ■消費者のニーズに合わせて改良 かつて日本人は、お米といえばもっぱら白飯で食べることが習慣化しており、「白飯だけで満足できること」が求められていました。しかし、近年では食材も豊富になり、食材を生かすようなお米も脚光を浴びるようになりました。
このようなニーズの変化もあり、これまでさまざまな特徴を持つお米の品種が開発されています。そこで、お米アドバイザーである私が、ぜひとも押さえておきたい新品種をご紹介します。 4000種以上のお米を食べた私が独断で作成した、「お米食感チャート(記事の最後で紹介)」も参考にしながら、ぜひお気に入りのお米を探索してみてください。 ①つや姫 山形県で誕生した「つや姫」は、白飯で食べていただきたいお米として真っ先に挙がるお米です。
お米の粒がキレイで大きく、炊き上がりはその名の通りツヤツヤ。食感も良く、柔らかすぎず粘りすぎずで、現代人にマッチした仕上がりになっています。食べていて飽きず、誰もが美味しいと感じられるはずです。 さらに「つや姫」は、どんな食材にも合う万能タイプのお米になっています。コシヒカリと比べると粘り・柔らかさ・甘味が足りない感じもありますが、逆にさまざまな用途で使いやすいため、普段遣い用として大変扱いやすく、家に常備したいお米です。