2024年話題の映画総まとめ『あの花』『変な家』『コナン』『あぶ刑事』『キングダム』『ラストマイル』『推しの子』など
2024年もきょうで終わり。今年もさまざまな映画が公開された。象徴的だったヒット作を振り返る。 【画像】記事内に登場する作品ビジュアル ■『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』興行収入158億円の大ヒット、舞台となった函館市に注目 日本人の年間の映画鑑賞本数が1~2本程度とされている中、その1本を確実にとらえていると思われるのが、アニメ『名探偵コナン』の劇場版シリーズだ。4月から5月に公開し続け(新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年のみ公開なし)、観客動員&興行収入において右肩上がりの成長を続けてきた。2023年、ついに26作目『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』で初めて100億円の大台に乗せ、興行収入138.8億円(興行通信社調べ、2024年12月22日時点)を記録。27作目となる『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』では、158億円(興行通信社調べ、2024年12月22日時点)でシリーズ史上最高記録を更新した。 『~ 100万ドルの五稜星』においては、メインキャラクターの1人でもある怪盗キッドによって「試写会への招待状とフィルムが盗まれた」という体(てい)で、劇場版『名探偵コナン』史上初めて公開前の事前試写会を行わない異例の対応が取られた。『THE FIRST SLAM DUNK』(2022年)、『君たちはどう生きるか』が事前に試写会を一切行わず、大ヒットしたことも記憶に新しいが、『~ 100万ドルの五稜星』は、映画公開初日の午前0時から一部映画館で初回上映を行い、いち早く見たいファンが殺到。公開初日の興行収入は前作比約112%となる9億6000万円を記録した。 コナン、キッド、敵キャラともに、先祖からの呪縛と葛藤が描かれた本作は、好きなキャラをきっかけにコナンの世界にはまっていく推し活客にとっても魅力的な要素がちりばめられており、コアファンのリピーター化を促した。そんなコアファンによる口コミを聞きつけたライト層も呼び込み、北海道での土方歳三をモチーフにしてミステリー・歴史好きにも訴求。映画の舞台となった北海道函館市では、ゆかりの場所を巡るスタンプラリーの台紙を兼ねた「函館まち巡りマップ」を配布し、ファンによる聖地巡礼も活発化。全国1000市区町村を対象に自治体の魅力度を測る今年の「地域ブランド調査」(ブランド総合研究所調べ)では、北海道函館市が5年ぶりに1位に返り咲く(同調査で1位になるのは通算で7回目)要因の一つになったとも言われている。 2025年も劇場版28作目『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』の公開(4月18日)が決まっており、長野県の雪山を舞台に、コナン、毛利小五郎、隻眼の刑事・大和敢助などを中心としたストーリーが描かれるようだ。 ■『キングダム 大将軍の帰還』シリーズ最大のヒットに 原泰久氏による漫画『キングダム』を俳優の山崎賢人(※崎=たつさき)主演で映画化した4作目『キングダム 大将軍の帰還』が7月12日に公開され、実写映画シリーズの集大成にしてシリーズ最大のヒットとなる興行収入80.3億円(東宝発表、2024年12月23日時点)を達成。 佐藤信介が監督を務め、原作者の原氏が自ら脚本に携わり、戦災孤児だった信(山崎)の成長と、秦の大将軍・王騎(大沢たかお)の死までを描く実写映画プロジェクトは、2000年以降シリーズ化された邦画実写作品で、1作目から4作連続で50億円超え(興行通信社調べ)という史上初の偉業で映画史にその名を刻んだ。