小泉今日子さん、いい意味での「おばさん道」…「シニア」じゃなく「ビンテージ」
歌手、俳優、プロデューサーとして活躍する小泉今日子さん(58)の講演会「小泉今日子トークライブ」(読売新聞北海道支社主催)が11月26日、札幌市中央区の共済ホールで開かれた。読売新聞の書評欄「本よみうり堂」で2005年から10年間、読書委員を務めていた小泉さんが、人や本との「出会い」、歌や舞台などに対する思いを語った。来場者らから好評だった小泉さんのトークを詳報する。 【写真】トークライブで本との関わりについて語る小泉今日子さん
「小泉今日子トークライブ」詳報<4>
<第2部の後半は、小泉さんが同年代に向けた活動、若い世代への思い、世の中のアプローチについて語った。(聞き手は、村田雅幸・読売新聞編集委員)>
村田 小泉さんは最近、同世代の方へ向けたイベントをやっていますね。例えば、「BAD MORNING! CLUB(バッドモーニングクラブ)」とか。
小泉 はい。朝8時ぐらいに集まって、いい音楽を聞き、おいしい朝食と朝ビールを楽しんでいます。若い頃に楽しかった時間をもう一度味わおう、でも年を重ねると、夜は眠いし疲れるし。朝だったら、みんな早起きになって、結構時間を持て余していますよね。だから、朝8時から開けてくれるお店でやっています。
村田 「東京 VintAGE Girls(ヴィンテージガールズ)」という活動にも参加していますね。
小泉 スタイリストの安野ともこさんたちとやっています。「シニア」ではない新たな呼び名になったらいいよねと、ビンテージ(古くて価値が高いもの)という言葉を使っています。わちゃわちゃと集まって、いい意味での「おばさん道」を発揮し、お節介なことをやってみる。フリーマーケットをやって能登地震の被災地に寄付をしたりもしました。年明けにはブックフェスみたいなのをやろうと思って今動いています。
村田 小泉さんは同世代をすごく励ましていますが、若い世代との関わりも多いです。若い人たちにはどんな期待を持っていますか。
小泉 今もコンサートには必ず10代、20代の若い人も来てくれますね。私は、自分だけじゃなくいろんな大人を紹介してあげたいんです。例えばミュージシャンなら次はこの人のライブも見に行こうと興味を持って、いろんな文化に触れてもらいたい。世界を広げてあげる大人の一人でいられたらいいなと、いつも思っています。