【プリンス関西1部】京都U-18、履正社を3-1で下し2位でプレミアPOへ
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関西1部の最終節、履正社と京都サンガF.C.U-18の試合がJ-GREEN堺S1グラウンドで行われた。 【フォトギャラリー】履正社 vs 京都サンガF.C. U-18 プリンスリーグ関西1部は10チームで構成されており、上位2チームが『高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 プレーオフ』へ進出する。すでにガンバ大坂ユースが2位以内を確定させており、残る1枠を2位・京都U-18と3位・阪南大高が競っている。京都は勝てば自力で2位以内が確定し、引き分け以下は阪南大高vs興国の結果次第となる。 一方の8位の履正社は残留争いに身を置いている。下位2チームが2部リーグ降格となり、9位・京都橘との勝点差は2。得失点が京都橘と10も離れている状況だ。 試合は開始早々に動く。3分、京都は右サイドのFKからゴール前へボールを送り込むと、ボールが地上へ落ちたところをDF三宮稜太(3年)が押し込んで先制点を決めた。勢いに乗る京都は16分に追加点。昌山のシュートは相手GKに止められたが、その跳ね返りをFW西岡佑真(3年)が蹴り込んでネットを揺らした。その後も京都はアグレッシブな攻守を見せて、試合の流れをつかむ。一方の履正社は分に、なかなかアタッキングエリアまでボールを持ち込めず、苦戦を強いられた。前半は0-2で折り返す。 後半開始から履正社は3選手を交代。この采配で攻守が改善して、相手ゴール前まで攻め込む回数が増えていく。すると68分、左サイドの低い位置でボールを受けたMF木村有磨(3年/レノファ山口・入団内定)がドリブルでエリア付近まで持ち上がり、対面した選手をかわしてミドルシュート。これが決まって1点差に迫る。 試合を優位に進めながらダメ押し点を奪えない京都にとって嫌な流れを変えたのはMF立川遼翔(3年)だった。76分、GKの頭上を越すループシュートで2試合連続ゴールを決めて、リードを広げた。 試合は京都が3-1で勝利して、2位でプレーオフ進出となった。ゴールを決めた立川は通算14ゴールで得点王に。さらに毎試合後の投票により決まる大会MVPにも選出されて、個人タイトルのダブル受賞となった。「開幕前に得点王を取ると決めていたので、達成できてよかった。1年を通じて、みんなとの関係も深まっていきました」と喜びを口にしている。またMVPについては「自分だとは思っていなかった」と驚いていたが「回りの人から評価されるのは素直に嬉しい」と話している。 プレーオフに向けて先制点を決めた三宮は「自分たちは2年連続でプレーオフで負けている。チームの為に…という気持ちは強いです」と一週間後に広島県で行われる決戦へ視線を向けていた。チームを率いる石田監督は「3年連続でプレーオフの舞台に立つことになります。(過去2年の)景色や体感は生かしてプレミアリーグへ行きたい。今の3年生は2年連続で悔しさを味わっている選手たち。先輩たちの分も戦って、勝ちたいです」と意気込んでいる。 一方、敗れた履正社の平野直樹監督は「シーズン最終戦なので3年生を中心に戦いたかったが、下級生を起用して流れが変わったので少し複雑な気持ちがある」と振り返った。夏から3年生を中心にチームを構成してきたが、競争の中で「身体のできてきた1年生がクォリティーのところでも発揮してくれた。次につながる戦いができたんじゃないか」と話している。 ゴールを決めた木村は京都府出身。京都葵FCとNJCサッカースポーツ少年団でプレーして、中学から大阪へ活躍の場を移してプロへの切符をつかんだ。高校生活最後の公式戦が地元のJクラブとの対戦となったことに笑顔を見せたあと「プロの世界で、どれだけ通用するか。1年目から試合に出て活躍して成長していきたいです」と決意表明している。 履正社は勝点を積み上げることはでいなかったが、9位・京都橘が首位・G大阪ユースに破れたために順位は8位から変わらず、1部残留を決めている。 (文・写真=雨堤俊祐)