ソフトバンクの工藤監督が考える変動式DH起用案!
プロ野球のキャンプも終わりに近づいているが、パ・リーグではソフトバンクの評判が高い。評論家のほとんどが「V3に死角無し」と明言している。昨季、31本塁打、98打点、打率.282の成績を残したイ・デホがメジャーに流出、トリプルスリー、柳田悠岐がオフに右肘を手術した影響から開幕戦では、センターは守れそうにない見通しが、工藤監督はV3に向けて新たな戦術を練っている。 そのひとつが、変動式のDH起用法案だ。 シーズンを通じてDHは固定せず、守備につけば負担のある選手や、疲れの出てきたベテランなどを交代に置くという異例の起用法を頭に描いているのだ。さっそく開幕戦のDHには、バッティングには問題のない柳田の起用を「そういう手もある」と、ほのめかしているが、柳田の開幕起用だけでなく、今季のソフトバンクのDHは、変動式となりそうなのだ。 打線はミズモノと言われる。シーズンを通じて好不調の波は必ず生まれものだが、1年のトータルで見て、その波をできるだけ小さく抑えるために、各選手のコンディションを維持することにつながる“休憩場所”としてDHを有効利用しようというのである。 評論家の元千葉ロッテの里崎智也は、「選手層の厚いソフトバンクだからこそできる作戦かもしれないが、DHを固定せずに休憩枠として使おうという発想は面白いと思う。僕がロッテ時代、バレンタイン監督は、ツープラトンでチームをふたつに分けて戦ったが、それには対戦相手を見ての戦術と同時に、選手を適度に休ませシーズンを通じてベストのコンディションを保つという狙いもあった」と、その工藤案を評価した。 昨季のソフトバンクのDH起用の主なデータを振り返るとイ・デホが87試合、内川聖一が20試合、長谷川勇也が15試合、柳田が2試合となっている。 今季は、そのイ・デホが座った87試合のDHがスッポリ空くことになるが、イ・デホの代役としては、まずは、来日3年目となるバーバロ・カニザレスの1軍昇格が有力。カニザレスは、昨季2軍で90試合に出場して打率.324、18本、56打点の数字を残していて、1軍でも十分に活躍が期待されるが、球団サイドは、現在、新外国人の調査も進めていて、状況次第では、新外国人がDHに座る可能性もある。