パセリ油に含まれる不飽和脂肪酸に抗黄色ブドウ球菌作用 京都工繊大など解明
北所准教授は「パセリという脇役のような扱いをされる食べ物が、黄色ブドウ球菌に対して主役級の阻害力を持つことに驚いた」と話す。なお、北所准教授らの研究グループは、ヒトのリパーゼを阻害する市販の内臓脂肪減少薬「アライ」(大正製薬)の主成分であるオルリスタットも、SALを阻害することを確認している。そのため「PSAは内臓脂肪にも効果があるかもしれない」といい、今後は抗菌薬に加えて、肥満治療薬にも生かせるかどうか研究を進めるという。
さらに、アトピー性皮膚炎に対してPSAが効果を示すことが分かれば、「ステロイドのような強い薬を用いなくても、皮膚の炎症を鎮められる可能性がある」としている。
研究は日本学術振興会の科学研究助成費を受け、大阪公立大学、京都大学、理化学研究所、筑波大学と共同で行った。成果は5月16日に欧州生化学会の学術誌「FEBS オープンバイオ」に掲載され、京都工芸繊維大学などが同21日に発表した。