科学で証明「寝不足だと食欲が増す」は本当だった 専門家が明かす、睡眠と太りやすさの深い関係
一方で、食欲を抑えるレプチンは、睡眠中にピークに達し、その後午前中にかけて低下します。この夜間睡眠中のレプチンの上昇によって、夜間睡眠で絶食状態になっていても、空腹を感じないようになっているわけです。 図2―10に示すように、慢性的な睡眠不足の状態では、レプチンは低下し、グレリンは上昇します23。つまり睡眠不足では、食欲が増加し、空腹を感じやすく、摂食行動を抑えにくくなります。 ■1日だけの寝不足でも要注意
最近では、たった1日の睡眠不足でも、レプチンが低下し、グレリンが上昇することがわかりました(図2―11)24。当然のことながら慢性的に睡眠不足が続くほうが、より頑固な肥満体質になっていくのはいうまでもありません。 最初にも書きましたが、レプチンとグレリンは、覚醒と食欲を司るオレキシンとのつながりが強い物質です。このことからも食欲と睡眠が、密接に関わっていることがわかります。 ⑲Van Cauter, E., Polonsky, K. S., & Scheen, A. J. (1997). Roles of circadian rhythmicity and sleep in human glucose regulation. Endocr Rev, 18(5), 716-738. https://doi.org/10.1210/edrv.18.5.0317
⑳Maquet, P. (2000). Functional neuroimaging of normal human sleep by positron emission tomography. J Sleep Res, 9(3), 207-231. https://doi.org/10.1046/j.1365-2869.2000.00214.x ㉑Tuomi, T., Nagorny, C. L. F., Singh, P., Bennet, H., Yu, Q., Alenkvist, I., Isomaa, B., Östman, B., Söderström, J., Pesonen, A. K., Martikainen, S., Räikkönen, K., Forsén, T., Hakaste, L., Almgren, P., Storm, P., Asplund, O., Shcherbina, L., Fex, M., ... Mulder, H. (2016). Increased Melatonin Signaling Is a Risk Factor for Type 2 Diabetes. Cell Metab, 23(6), 1067-1077. https://doi.org/10.1016/j.cmet.2016.04.009