愛工大地域防災研究センターで創立20周年記念シンポジウム
「愛知工業大学地域防災研究センター 20周年記念防災シンポジウム」が10月25日、愛知工業大学八草キャンパス(豊田市八草町)で開催された。(豊田経済新聞) 【写真】愛工大地域防災研究センターで創立20周年記念シンポジウム 同センターは、将来必ず発生するといわれている南海トラフ巨大地震などの災害に対し、自動車をはじめとするものづくり産業が集積する東海地方の企業の防災力を向上させる調査・研究活動を行う目的に、2005(平成17)年4月に設立。企業の事業継続計画(BCP)の支援する活動を中心に、市民が命を守る行動などについて研究を行い、行政や企業と連携して地域防災の啓発に取り組んでいる。 シンポジウムの冒頭で、同大教授で地域防災研究センター長の横田崇さんがあいさつに立ち、同センターの設立経緯やシンポジウムの開催趣旨を説明。その後、第1部として「能登半島地震の教訓を踏まえた南海トラフへの踏まえ」と題した基調講演を行った。この中で、能登半島地震被災地の課題について触れ、特に地震でも常時使えるトイレの確保が必要だったと話すとともに、「すぐさまの救助や支援、復旧はできないので自らの備えが必要。自分たちの地域は自分たちで守ることが重要」と訴えた。 このほか、同センターの各教員が観光防災やロボット技術を活用した災害予防・対応、3次元シミュレーションを活用した避難想定など活動・研究成果を発表。同センターのさまざまな活動に携わってきた団体や企業担当者らによる取り組みの事例発表も行われ、来場者はさまざまな角度から地域防災の取り組みについて知識を深めた。 横田さんは「20年間の活動は地道だが、(企業・行政の)皆さんと一緒に一歩ずつ地域防災・企業防災を続けてこられ、一歩ずつ防災力を高めることに貢献できたと思う。より地域が安全になる社会をつくれれば」と話す。
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