「結核」は昔の病気ではない 病院たらいまわしで重症化 入院3カ月・完治まで10カ月闘病したJOYさん 発見の難しさやつらさ語る
■医師も「結核」の意識薄れている可能性あり
結核の診断というのは難しいのだろうか? 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:まず結核の場合、感染しても40パーセントぐらいが全く無症状で、健康診断で見つかるんです。その時に見つかっていれば一番軽いパターンになります。その後症状が出ても、ゆっくりしか発育しません。微熱、倦怠感、寝汗、それからせきがだらだら続くということで、特徴的な症状が全くないということが結核の大きな特徴です。最後に血が出るようになって、慌てて救急車を呼ぶパターンが多いですね。 どの段階で診察してもらうのがベストなのだろうか? 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:一般的には、例えばかぜの症状というのは1週間ぐらいがピークで、2週間ぐらいになるとおさまってくるんです。われわれのところでは大体2週間以上続くならば、レントゲンを撮りましょうというのが一般的。そういうスタイルが重要だと思います。 医療関係者の方にとって、「結核」は昔の病気だということで、意識が弱くなっていることはあるのでしょうか? 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:そうですね。数そのものは確かにものすごく減ってきていますし、それから一番は環境がすごく良くなっていて、東南アジアみたいに栄養失調になることはなくなっているので、結核が忘れがちになっているのは間違いないです。
■結核患者数 大阪府が20年連続ワースト
ここで、全国の結核患者数のデータがある。人口10万人中の患者数1位は大阪府。5位までに近畿の4府県が入っていて、全国平均からかなり高い数字となっている。特に大阪府は20年連続でワーストだ。 結核に地域性は関係しているのだろうか? 関西医科大学附属病院 宮下修行先生:これは労働環境、労働環境の中でも栄養状態です。免疫が下がるというのは、栄養状態が下がる人たちに発症しやすい。もうひとつは大きな工場があって外国人労働者の方、特に東南アジアの方には栄養が悪い方が多く、そういった方が持ち込んでくる。この2つのパターンがやはり多いですね。