なぜ人気に翳り?東京のバルセロナ公認サッカー学校は定員割れスタート
葛飾校では本部でノウハウを学んだ、元プロ選手のアイトール・オルモ・イバニェス氏がTDとして常駐。同氏が実施した面接と実技試験をへて採用された、6人の日本人コーチとともに指導に当たる。 子どもたちの集中力を考慮した上で、練習時間は6歳以下のキッズで60分間、小学生以上で75分間に限定。レベルごとに分けるグループは最大12人として、指導を全員に浸透させる。 練習は平日のみで、午後5時半からキッズと小学校1年生から3年生まで、午後7時からは同4年生以上が参加する。初日となった24日は約70人の子どもたちが緑鮮やかな芝生の上でボールを追い、日没後はナイター照明に灯が入った。 設立会見後には、こんな問い合わせが葛飾校の事務所に幾度となく入ったという。 「バルセロナのカンテラに入団できる可能性はあるのでしょうか」 バルセロナのカンテラに所属していた13歳の久保建英が退団を決め、帰国したことが大きく報じられた。国際移籍は18歳以上という規則を、昨春から国際サッカー連盟が厳格に適用。これに抵触した久保は試合に出場できない状況が続いていた。 サッカー以外の理由で両親が転居した場合などの例外が設けられているが、バルセロナに限らず、18歳未満の日本人が海外クラブへ移籍することは現状でほぼ不可能になった。秋元理事長は言う。 「電話に応対したスタッフは、TDが説明会で話したように『それ(カンテラへの入団)がベースではありません。世界一流のプログラムを通して、子どもたちを育成することがメインとなります』と答ています」 葛飾校の募集要項にも、カンテラ入団の類は謳われていない。それでも移籍への近道との誤解を生みやすい点が、ビッグクラブ傘下のスクール開校ラッシュや、初期費用と月謝1カ月分(1万8360円)で約7万円(小学生以上、週2回の練習)かかる費用とあいまって、入校者数に少なからず影響していると言えるかもしれない。