2024-25年秋冬ファッション、キーワード6選 きちんと感×遊び心がコーデのカギ
連載《ファッションハック》Vol.33
2024-25年秋冬シーズンのファッショントレンドは、時代感やムードをクロスオーバーした「欲張りタイプ」が主役になりそうです。パリとミラノという両コレクションのランウェイルックから、6つのキーワードに沿って着こなし方を解説していきます。 【写真はこちら】文章でポイントをお伝えしている、各主要ブランドの2024-25秋冬ルックはココからチェック!
■自分流ミックスコーディネート、着こなしの軸に
音楽にたとえるなら、2024-25年秋冬シーズンの主旋律に当たるのは、クラシックでオーソドックスな装い。それでも、型通りの着方は避けて、ひねりや遊びを盛り込むのが新トレンドの傾向です。クチュール感や手仕事技を重んじて、シンプルなシルエットに特別感をもたらす試みが相次いでいます。 品格と鮮度を両立させ、「きちんと感」と遊び心を響き合わせる――。そのあたりのさじ加減がコーディネートの決め手になりそうです。 もう1つ。混乱や不安が続く世情を背景に、型にはまらず自由に着こなす「ボヘミアン」な雰囲気の1970年代スタイルへのノスタルジーも浮上。これまで以上に「自分流ミックスコーディネート」が着こなしの軸になっています。 旬のコーデのヒントになる、6つのキーワードを見ていきましょう。
■クラシックパラドックス(Classic Paradox)
【正統派レディー いまの流儀にアップデート】 目先の流行に左右されない「タイムレス」がロングトレンドとして支持を広げています。次のテーマは「クラシック」。時の試練に耐えたオーソドックスな装いが再評価のチャンスを得ました。 とはいえ、単に昔のルックを復古するのではないのが、いまの流儀です。かつての雰囲気はとどめながらも、シルエットやディテールはモダンにアレンジする逆説(パラドックス)的な着方。現代のおしゃれマインドになじむ提案が相次いでいます。 「DIOR(ディオール)」は1960年代のプレタポルテ「ミス ディオール」にオマージュをささげました。 ジャケットとスカートのセットアップは正統派レディーのたたずまい。穏やかなベージュと強いブラックのツートーンで、ほのかにミリタリー感も漂わせました。メンズ風のハットやタフ顔のロングブーツでハンサムなイメージも寄り添わせています。 メゾンのクラシックの魅力はタイムレスで着こなしに取り入れたいお手本スタイルです。