2024-25年秋冬ファッション、キーワード6選 きちんと感×遊び心がコーデのカギ
■コントラストハイブリッド(Contrast Hybrid)
【ボリュームを操り、ムードをミックス】 クラシックやミニマルの裏トレンドに当たるのが、シルエットで見せる変化球です。ボリュームのメリハリを際立たせたルックは、とりわけ目を引きます。本来の持ち味が異なるウエア同士をぶつけるハイブリッド系のスタイリングも意外感を呼び込む技法。 フォーマルとカジュアルといった、出番が違うアイテム同士の交差は、手持ちワードローブから別の表情を引き出してくれそうです。 「LOEWE(ロエベ)」はシャツの上からハンサムなダブルブレストのジャケットを羽織りました。 一方、ボトムスは風船のようにふくらんだバルーンシルエットのカーゴパンツ。上下の相反するムードと量感がコントラストを強めています。 正統派のテーラードジャケットと作業着譲りのカーゴパンツという「オリジン(由来)違い」の組み合わせは「ずらし」の典型例。朗らかなバルーンシルエットはヒットを予感させる新フォルムです。
■ノスタルジックピースフル(Nostalgic Peaceful)
【懐かしげで穏やか 1970年代気分の郷愁をまとって】 懐かしげで穏やかな雰囲気の装いが打ち出されています。ファッションは時代の空気感を映すもので、ノスタルジーを帯びたムードは現代に対する不安を示すかのよう。ヴィンテージライクな着映えも昔を恋しく思う意識をうかがわせます。 アウター重視の着こなしが宿すのは、身を守る「プロテクション」の気持ち。ゆったりしたアウターは体を包み込む「癒やし」のアイテムでもあります。 「BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)」はレザーのジャケットにファーのケープを重ねて、タフ感と優美さを兼ね備えたアウター姿を描き出しました。 ほのかにヴィンテージ風味を帯びた、グラマラスなたたずまいに導いています。あでやかな赤のパンツが差し色効果を発揮。程よいフェミニンさをまとわせました。 女性の権利を主張する運動「ウーマン・リブ」が盛り上がった1970年代に通じるテイストは自立した女性像を立ちのぼらせます。