2024-25年秋冬ファッション、キーワード6選 きちんと感×遊び心がコーデのカギ
■ジェントルラグジュアリー(Gentle Luxury)
【ノーブルにドレスアップ ぬくもりとリッチ感が同居】 ドレスアップを楽しむリッチな印象の装いがリバイバルしています。 秋冬ルックにゴージャス感をまとわせるファーアウターにも再評価の機運が高まってきました。サステナビリティー(持続可能性)に配慮しつつ、ファー特有のあたたかみや量感を生かした装いが提案されています。過剰な飾り気を抑える「クワイエットラグジュアリー」の発展形とも呼べそうな、穏やかでノーブルな装いが「ジェントルラグジュアリー」です。 「JIL SANDER(ジル サンダー)」は丁寧な加工を施したファー3点セットでリュクス(上品なリッチ感)の三重奏を奏でました。 淡いピンクのワントーンが優しげでアッパーなムードを醸し出しています。襟のレザーが質感の違いを際立たせました。アウターを肩掛けして、優美な曲線を描くことで貴婦人イメージを薫らせています。 足元にソックスを迎えてトーンを和らげるのも、ファー着こなしのテクニックです。 ◇ ◇ ◇
■「きちんと見え」と新鮮さ 意外感と遊びがカギに
2024-25年秋冬シーズンのトレンドに共通するのは、オーソドックスな装いを軸に据えながら、随所に意外感や遊びを盛り込むという「ダブルミーニング」のスタイリングです。 控えめな冒険をたくらむ着方とあって印象が強すぎないから、幅広いシーンで役に立ちそう。アイテムを長く着続ける上でも、多彩なアレンジのレパートリーを増やしておきたくなります。 どこか懐かしいクラシックなアイテムや見慣れた日常着から、「別の顔」を引き出すアイテムが秋冬ルックをアップデートする切り札です。手持ちのワードローブに組み合わせることで、「普段使いクチュール」のような趣の深い着映えに仕上がります。 「きちんと見え」と新鮮さの両方を望む欲張りなおしゃれマインドを満たしてくれる新トレンドは、秋冬シーズンの立ち上がりから取り入れたいものばかりです。 文:宮田理江(ファッションジャーナリスト)
宮田理江
トレンド情報や着こなし解説、コレクションリポート、スタイリング指南をメディアや個人サイトで幅広く発信。異なるテイストのミックスコーディネートが得意。自らのテレビ通販ブランドを持つ。ディレクション業務、イベント登壇もこなす。毎日ファッション大賞選考委員。 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。