WBCイスラエル旋風を米メディアも「イスラエルはシンデレラ」と続々報道
WBCの1次ラウンドプールBで、開催国の韓国を延長の末に2-1で下し、翌7日には台湾にも15ー7で圧勝、2次ラウンド進出をほぼ手中にしたイスラエルの快進撃が、米国でも驚きをもって伝えられている。 米CBSスポーツは、「ワールド・ベースボール・クラシックの結果。イスラエルはシンデレラのようだ、日本は、キューバを下した」という見出しで日本戦も含めた7日の試合結果を伝えた。 WBCの大会の結果をまとめた記事で、「シンデレラストーリーが、引き続き大きくなっていることから始めよう」とし、冒頭で台湾に勝ったイスラエルの様子を取り上げている。 「月曜朝の大きなストーリーは、イスラエルが延長の末、韓国を2-1で負かしたことだった。今回はそれほど劇的なものではなかっただろうが、イスラエルは一回に4-0として、そのまま逃げ切った。イスラエルは、この組ですでに2勝0敗とし、2次ラウンド進出の可能性が高い。何というストーリーだ」と、快進撃を紹介した。 スポーツニュース専門のデッドスピンでも、「WBCで最初に(2次ラウンドに)進出するチーム、それは…イスラエル!?!」とのタイトルで報じた。 米国時間の午前中に掲載された記事は、「24時間後には、今回のWBC大会で次のラウンドに進出する一番乗りのチームが決まる。それは、誰も予想していなかったチーム、イスラエルだ」と書き出して、さらに本大会初出場のイスラエルの想定外の旋風について、「我々は恐らくイスラエルの力を実際よりも低く見ていたのだろう。メジャーリーグ経験のある、マイナーリーガーが多数いる。ライアン・ラバーンウェイ、アイク・デービス、ネイト・フライマンらは、プロとしてプレーできる選手で、それらは何も意味がない、ということではないのだ」と、イスラエル代表を見くびっていたと、自虐的に書いた。 またイスラエルのエルサレム・ポスト紙電子版でも、「イスラエル代表はWBCで台湾に勝ち、おとぎ話のような展開を続けている」と伝えた。 エルサレム・ポストは、「この大会は、その国の市民権を持っているか、その国のパスポートを持っているか、イスラエル系米国人であってもプレーできることが利益になった。29選手のうち、イスラエルの市民権を持っている選手は3人だが、11人がメジャーリーグでプレーした経験がある」と解説している。 中にはベテランだがメジャーで堂々たる成績を残したメンバーがいる。 韓国戦で先発したジェイソン・マーキーは38歳だが、メジャー通算124勝、ロッキーズ時代には、オールスター出場経験もある。 韓国戦では途中出場、台湾戦では3番に入って3安打2打点の活躍をしたアイク・デービスは、メジャー通算81発の大砲。5年前にはメッツで32本塁打を打った。まだ29歳の左打者だ。一番に座っているサム・ファルドも35歳だが、メジャー通算8年で67盗塁を誇り、昨年は怪我で1年プレーできなかったが、2年前にはアスレチックスで120試合に出場している。2番のタイ・ケリーも昨年メッツでメジャー昇格したユーティリティプレーヤー。他の選手も、ほとんどが3A、2Aでプレーしているマイナーリーガーで、イスラエル代表と言いながらも、実質はメジャー予備軍の集まりなのである。