身近な異変も。2024年の気候変動にまつわる印象的なニュース12選
6月:サザンが夏フェスから勇退。理由は「暑すぎる」?
毎年、楽しみにしている人も多い夏の野外音楽フェス。けれど、大好きなアーティストを夏フェスで見られなくなる――もしくは、野外の夏フェス自体が開催されなくなる――そんな未来が現実味を帯びてきている。 6月、日本の音楽シーンを代表するバンド、サザンオールスターズは、9月の野外音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル 2024 in Hitachinaka」で大トリを務めるとともに、夏フェス自体から卒業することを発表。ボーカルの桑田佳祐さんは公式HPで、「我々高齢者バンドにとって、令和の夏は暑すぎるよ(笑)」と冗談を交えながらその理由を説明。X上では「令和の夏は暑すぎる」というキーワードがトレンド入りするほど共感を呼んだ。 また10月、今度は「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」自体が2025年以降の開催日程変更を発表。これまで8月開催を続けてきた同フェスを、今後は9月のシルバーウィークに開催予定だそう(前述のサザンオールスターズが出演した9月開催のイベントは、同フェス25周年を記念し特別に開催されたもの)。「近年の気候変動のなか、8月開催は困難だと判断するに至った」と説明している。 これらはまだ一例にすぎないけれど、夏の野外での活動が「命にかかわるレベル」になってきているのはたしか。気候変動がエンターテインメントにまで影響を及ぼしていると考えると、危機感を抱かずにはいられない。
9月~10月:猛暑で蚊が「長生き」に?活動時期に異変
今年、夏のやっかい者「蚊」がいつもより長く活動していたことに気づいた人も多いのでは? なかには10月まで活動していた蚊もいたようで、秋が深まる季節にも人々を困らせていた。 日本でよく見られる一般的な蚊の一種、ヒトスジシマカ(別名:ヤブカ)が最も活発になるのは気温25~30度の時期。逆に、あまりの猛暑でも蚊は活動できないといわれている。『NHK』の取材によれば、ヒトスジシマカは気温が35度を超えると植木の葉の裏などの日陰に身を潜めるようになり、“夏バテ”のような状態になるのだとか。 そのため、35度以上の猛暑日が続いた今年の8月は、比較的蚊が少ない傾向に。ヒトスジシマカにとって“心地よい”気温が、9月や10月にずれこんだことで、活動期間の長期化が起こったのではないかと考えられている。 ただ、「蚊に刺される時期がずれただけ」と安心するのは早計。このまま温暖化が進むと、現在蚊の生息が確認されていない北海道にも、ヒトスジシマカが住みはじめるという予測もあるほか、蚊が長期にわたって活動することにより、これまで日本では感染の報告がなかった西ナイル熱などの感染症が広がるリスクも増加する。蚊の活動時期が変わると、思わぬ影響を及ぼすかもしれないことは、ぜひ覚えておきたいもの。