<女子バレー>既成概念捨て挑む非常識な新戦術「Hybrid6」とは──眞鍋監督に聞く
──「MB1」もそうでしたが、新戦術では攻撃面ばかりがクローズアップされますが、実はポジションレスはブロックでも面白いですね。ブロックのいい宮下さんがミドルだったり、木村さんもミドルに跳んだり……。 眞鍋監督 そうです。新戦術は複合的に、です。ブロックも“ミドルブロッカー“ではなく、“ミドルブロック”(真ん中をブロックする選手)です。宮下はリーグでもそうでしたが、ブロックがいいんですよ。なのでミドルにもっていったり、木村も真ん中跳んだり。ケースバイケースで。有効な形で。 ──「新戦術」のカギや課題は? 眞鍋監督 グラチャンでの「MB1」は、1カ月くらいしか準備期間がなかったので、サーブレシーブからの攻撃はある程度できたのですが、トランジションからの攻撃(ブロックでワンタッチを取ったあとの切り返し)は複合的になるので、コンビが合わないことがけっこうありました。それまで“ミドルブロック”をしたことがない選手(迫田、長岡)がやっていたので。そのあたり課題ですね。あとは、コート上、コート外でのコミュニケーション。日本はチームとして結束していかないと厳しいです。
「○○なら世界一」というものを持って
──新しいことには、リスクが伴いますね。 眞鍋監督 そうですね。当然リスクはあります。できることならノーマルにいきたいですよ。でも日本はいま世界ランク3位ですが、世界1位のブラジル、2位のアメリカ、あるいはロシアなどと比べるとフィジカル面、体格面で劣っているし、中国の19歳のシュ・テイのような絶対的エースもいない。リスクを受け入れて、新しいことをやらないと、上(世界のトップ)には行けないと思っています。 選手にも常々言っていますが、「平均値やとダメだぞ」と、人に勝てる部分が何かないと。レシーブだけなら世界一、サーブだけなら世界一とか、こいつを入れるとムードだけは世界一とか。全部を平均的にできるというよりは、一つが秀でているほうがチームになると強いかなと思います。 それは情報面でも。「情報戦略班」と呼んでいるんですが、アナリストでも世界一を目指してやる。日本独自のテクノロジーを駆使して、データを使って戦わないと勝てない。いろいろな人の力やアイデアを借りて。「総合力」で世界一を目指します。