飼い主が亡くなって行き場を失うペットのインコやカメたち、保護施設も限界に、米国
カメの問題
カメは特に引き取り手を探すのが難しい。ペットショップで売られているときは小さくてかわいくても、ホウシャガメやケヅメリクガメなどはあっという間に巨大化してしまう。そうなると、一年中暖かい気温と、囲いのある広々とした庭が必要になる。また、手押し一輪車いっぱいのエサも調達しなければならない。 よく考えずに飼い始めてしまったがやはり手放したいという保護依頼がパンデミック後に急増したと、カリフォルニア州アンダーソンで保護施設「トータス・エーカーズ」を創立したケイティ・リコン氏は言う。施設には40万平方メートルの土地があるが、それでもスペース不足で毎週20~30匹の受け入れを断らなければならないと話す。 おまけに、カメは寿命が長く、150年以上生きることもある。 「自分の死後、誰にカメを引き取ってもらいたいかを遺言に含めておくことをお勧めします。そして、その相手としっかり話をしておいてください」と話すのは、米フロリダ州オキーチョビーの「セントラル・フロリダ・ワイルドライフ・センター」で野生生物のリハビリテーションを行うアマンダ・エベンハック氏だ。 エベンハック氏もリコン氏も、繁殖を避けるためにメスとオスのカメを分けて飼育している。
終活の一つにペットのことも
これから長寿の珍しいペットを飼おうと考えている人は、いかに安全に、ペットが満足する環境で飼育できるかをしっかり調べてほしいと、レマリエ氏はアドバイスする。 そして、自分の死後ペットがどうなるかを知っておくべきだと、トランビュール氏も話す。 「私は、死後の財産処分について既に手配をしてあります。飼っている鳥たちは、私が死んだあと保護施設で余生を過ごすことになっています。鳥に限らず、ほかの動物でも同じように準備をする飼い主は増えています。特に、飼い主よりも長生きすることがわかっている動物たちにとっては重要なことです」
文=Sadie Dingfelder/訳=荒井ハンナ