レッドブル、2023年は記録的圧勝も……いつか支配は終わる?「2020年のメルセデスもそうだったから」とホーナー代表
レッドブルは22戦中21勝をマークする記録的なシーズンを過ごしたが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこのアドバンテージを保てる保証はなく、他チームに追いつかれる可能性を危惧している。 【ハイライト】F1 2023最終戦アブダビGP 決勝 振り返れば2020年、メルセデスは17戦で争われたシーズンでルイス・ハミルトンの11勝を含む13勝をマーク。レッドブルはマックス・フェルスタッペンが2勝を挙げて2位につけた。 そしてその翌年、ふたりは最終戦まで激闘を繰り広げ、劇的な形でフェルスタッペンが初めてのチャンピオンに輝いた。 フェルスタッペンはそこから3年連続でチャンピオンを獲得。レッドブルは圧倒的なパフォーマンスを持っていることから、夏の段階でマシン開発の焦点を2024年にシフトしたため、ライバルチームからは来季もレッドブルの支配が続くと悲観的な声も聞こえてきている。 しかしホーナー代表は、現状にあぐらをかいているわけではなく、誰かがレッドブルに追いついてくる可能性があると覚悟している。 「2020年のメルセデスがそうだった。覚えているだろうか。あの年はメルセデスがこれまでで最も圧倒的な強さを見せた年だった」 「微妙なルール変更はあるが、止まっているモノは何もないと思う。様々なコースでライバルたちが接近しているのを目の当たりにしてきたし、コンセプトは収束していくと確信している」 「レギュレーションが安定していれば、常に収束していく。このようなシーズンを繰り返すことはできないだろう。でも、RB19の教訓を(RB)20に生かして、タイトルを守れるようなマシンを作り上げられるといいね」 実際、ダウンフォース削減を目的としたルール変更によってフロアの大幅な再設計が行なわれた2021年に比べて、2024年のレギュレーションは安定しているのだ。 フェルスタッペンは最終戦アブダビGPで17秒差をつけて優勝を飾ったが、その差は開幕戦バーレーンGPの11秒差よりも大きかった。しかしホーナー代表は、ライバルチームであるフェラーリとメルセデスが大きな浮き沈みを繰り返していることが、この差の拡大につながっていると考えている。 「違うタイミングで違う人々がきた。マクラーレンが浮上したり、フェラーリだったり、メルセデスだったり。サーキットごとに変わっていたんだ」 シンガポールGPで優勝を逃し、全戦優勝という偉業を達成できなかったことに苛立ちはあるかと訊かれ、ホーナー代表は「いや、まだ目指すべきものがあるという謙虚さは残る」と答えた。 「シンガポールは例外的な週末だった。だがクリーンスイープできるなんて夢にも思っていなかった」 「第3戦あたりから、君たち(メディア)に『今年は全戦優勝できると思うか?』と訊かれてきた」 「22戦中21勝なんて狂気の沙汰だ。マックスが1000周以上をリードし、19勝を挙げ、88年のマクラーレンの(勝率)記録を破り、2013年のセブ(セバスチャン・ベッテル)の(勝利数)記録を破った」 「このマシンはF1史上最も成功したマシンとして、かなりの期間、歴史に残るだろう」
Filip Cleeren
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