物議を醸すマグヌッセンのペナルティ上等ディフェンス。マクラーレン代表も語気強める「この業界にはフェアな人間が生き残るべき。全く容認できない」
F1マイアミGPのスプリントレースで再び話題となった、ケビン・マグヌッセン(ハース)のペナルティ覚悟のチームプレー。これについてマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、一連の走りは容認できないとコメントした。 【動画】レーススタートから大混乱! 4台が絡む接触でノリスとストロールがリタイア|F1マイアミGPスプリント 自身はタイムペナルティを受けることが確定している中で、後続のマシンを果敢にブロックしてチームメイトであるニコ・ヒュルケンベルグの入賞に貢献する……そんなマグヌッセンのチームプレーはサウジアラビアGPで話題となったが、マイアミのスプリントでもそれが再び見られた。 マグヌッセンはルイス・ハミルトン(メルセデス)とポイント圏内を争っていたが、コース外にはみ出しながらブロック。コース外走行によるアドバンテージ享受で再三ペナルティが出されたが、長きに渡ってハミルトンを抑えられたことで、前を走るヒュルケンベルグを逃すことに成功した。最終的にスプリントにおけるマグヌッセンのペナルティは、10秒ペナルティ3回と5秒ペナルティ1回で計35秒まで膨れ上がった。 こういった捨て身のディフェンスは批判の的となっているが、マグヌッセンも褒められた行為ではないことを自覚しながらも、チームのためにこういった走りをしていると主張。ただFIAスチュワードは、今回のマグヌッセンのようなケースで追加の罰則を与える可能性について、協議する意向であると明かしている。 ライバルチームの首脳陣からも、マグヌッセンの走り苦言を呈する声があがっている。マクラーレンのステラ代表は、この一件についての意見を求められ、次のように述べた。 「私にとっては、今回のケースは比較的シンプルだ。というのも、これはライバルに対して故意にダメージを与える行為であり、それが同じレースの中で続けられ、そして同じシーズンで何度も繰り返されているからだ」 「ペナルティをどのように累積していくか? それは指数関数的(に急激に増加するもの)でなければならない。5+5+5=15ではない。5+5+5なら、その人は一度レースウィークを家で家族と共に過ごし、自分のスポーツマンシップを反省して戻ってこないといけない」 「フェアで、忠実で、スポーツマンシップのある者……そういう人間がこの業界に残ることができる。だから全く受け入れられないよ」 ステラ代表は、ペナルティの評価基準を見直すなどして、故意に他者のレースを台無しにする行為が繰り返されないようにしなければならないと考えている。サウジアラビアの時点でルールの見直しに乗り出さなかったFIAが、今回報告書の中でその旨を検討すると明らかにしたことについて、彼はこう私見を述べた。 「彼ら(FIA)自身としても、こういったことが繰り返されたことに驚いたのかもしれないと私は考えている。だから彼らはこれから検討をするのだろう」 そしてステラは改めて、公平なレースを担保する必要があると強調した。 「強く意見を述べることで、私はフェアであることの価値を強調したい」 「これはスポーツであり、競争だ。我々にはフェアな競争の機会が与えられるべきだ。これらの価値は規則を作成する際に考慮される必要があるが、FIAはこれらを検討し、適切な提案を行なうだろう。そしてその提案が新たなルールや指針につながることを願っている」
Filip Cleeren
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