改正政治資金規正法が成立
自民党内では公明党、野党への譲歩に強い不満
それでも、今回の改正政治資金規正法は資金面から政治活動を制約するとして、公明党や野党に譲歩した岸田首相に対する不満は強い模様だ。麻生副総裁は16日の講演で政治資金規正法改正に触れて「将来に禍根を残すような改革だけはやってはいけない」と言及した。麻生氏は、特に、政治資金パーティ券購入者の公開基準額に関して、公明党の要求を受け入れて「5万円超」に引き下げた岸田首相に不満を持っているとされる。 麻生氏はこの講演で、「政治活動には資金が必要だ」と改めて強調した。政治、選挙には金がかかるという認識を議員及び国民が改めることが、「政治とカネの問題」の解消には必要だと思われるが、そうした面での進展はなかったのではないか。 (参考資料) 「改正政治資金規正法が可決・成立」、2024年6月19日、FNNプライムオンライン 「禍根残す改革いけない*規正法改正*麻生氏、講演で不満」、2024年6月17日、北海道新聞朝刊 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
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