【お隣の給与事情】大学院卒のお隣の息子さんが就職しました。新卒からかなりの高給取りなのでしょうか?
大学院卒は、大学卒と比べて高い賃金を得ているというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。専門的な知識を習得している大学院卒は、大学卒と比べて高い賃金を得ています。 とはいえ、大学院卒業後すぐに高給取りになれるわけではありません。年齢や勤続年数を重ねていくごとに、賃金も高くなっていく傾向です。 本記事では、大学院卒の賃金がどのくらいなのかを解説します。その他にも大学院の学費や生活費についてまとめているので、参考にしてみてください。
大学院卒の初任給
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、新規学卒者で令和5年6月分の賃金等の賃金は大学院卒で27万6000円とのことです。男女別にすると、男性は28万3200円、女性は26万800円となっています。 一般労働者の賃金が男女計31万8300円であるため、大学院卒だからといって高級取りにはならないでしょう。しかし、大学卒の23万7000円と比べると大学院卒は4万円ほど高い賃金を得ていることが分かります。 ◆年齢別の賃金 大学院卒の年齢別賃金は図表1のとおりで、年齢が上がるにつれて大学卒との差が大きくなってきます。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より筆者作成 大学院卒は大学卒と比べて、業務を行うために必要な専門知識を保有しており、即戦力になる人材と判断されて賃金にも反映されます。 また、新入社員のうちは実力ではなく、学歴が高い者に対して多くの賃金を支払う企業が多い傾向です。
大学院の学費はどのくらいかかる?
専門学校や大学卒と比べて大学院卒の賃金は高いですが、その分だけ学費もかかっています。生涯年収を考えたら支払う大学院の学費を十分にカバーできますが、一時的に負担になるのは確かです。 「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」によると、国立大学院の研究科の入学料は28万2000円、授業料は年額53万5800円です。国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二十二条の規定に基づいて、標準額を定めていることから、国立大学院の多くは入学料と授業料が同額であると認識してよいでしょう。 修士課程に進学する場合は2年間で107万1600円、博士課程に進学する場合は5年間で267万9000円の授業料がかかる計算です。 私立大学院の場合、文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、入学料と授業料の年額は図表2のとおりです。