2年でふるさと納税額3倍。飛騨市のファーストペンギンが「一番に飛び込んだ海」
地域活動においてのファーストフォロワーはどこにいる?
地域の方と深い関係を築けた舩坂さんに、なぜ、ファーストフォロワーを見つけることができたのか、分析をしてもらった。 「これを言ったら元も子もないですが、探そうとしてはいけないと思います。探そうとすると結局、自分のなかで正解をつくってしまい、それに当てはめようとするから見つからない。自然発生的なのかなと思います。 それでも大事なことは、自分が実現したいことを言い続ける、行動し続けることではないでしょうか。継続することでフォロワーがようやく見つけてくれる」(舩坂さん) こんな話もこぼれてきた。舩坂さんが先頭に立って叫び続けていて、ふと振り返ると上田さんがいないこともある。というのも、地域には地域特有の空気がある。それを察するように舩坂さんを促すそうと、あえて「姿を消す」タイミングがあるのだ。 2人の意見が食い違う場合は、バチバチとなることもあるようだ。一方で、「香菜子さんに合いそうな人は、遠慮なく紹介してきました」と、次から次へと繋がりをつくることも。まさに、フォロワーがフォロワーを連れてくるかたちだが、上田さんとしても納得があってのことだろう。 「本気で動かすには、これだけやらなきゃいけないことに気づきました。朝の3、4時からではないですが、人生で一番働きましたね。香菜子さんとの仕事を通して、熱量がそもそもないと動かせないということが理解できました。 行政だと例年通りに動くことが通例ですが、香菜子さんが『今年はどうする?』なんて言うので、変化を楽しんでいる様子でした。でもそういった発信を続けることで、市役所の人たちにも熱量が伝わったかと思います。案外、市役所内でも変化したい人がいたんです。ポジティブな変化が見られました」(上田さん) 「ファーストペンギンに続いて、集団全体が海に飛び込み、皆が成長していく点」が重要だと唱えた米田さんの言葉を借りると、上田さんにとっても大きな変革の機会となったのであろう。 相互に助け合う「ファーストペンギン」と「ファーストフォロワー」の関係構築が、地域創生を進める確実な一歩となるだろう。
Forbes JAPAN 編集部