日本全体で8% 女性社長が語る「女性経営者」のメリット・デメリットとは 鬼門は「子育て」
現在、日本の経営者での中で、約8%しかいないと言われる女性経営者。女性の社会進出が推進される中で、この数字を向上させていくためには何が足りないのか。その実情と課題について、PR会社「LITA」を経営する女性社長の笹木郁乃氏に話を聞いた。 【参考資料】まだまだ少ない? 女性社長の出身大学別人数比(帝国データバンク調べ) 笹木氏は女性経営者が初めにつまずく大きな壁として「子育て」を挙げた。女性経営者の知り合いで悩む人の傾向から「今はまだ男性が社会に出て、女性は子育てと考える人が多い。物理的に時間の面でその両立に悩む人がすごく多い」と推測した。 自身も子育てを経験した身として「子供を産むと子供と両立できる仕事、前提として子育てと両立できる働き方を選ぶ。『この企業なら福利厚生も時短もあるし…』という思考にどうしてもなっちゃいますよね」と話し、「でもそれだと、自分が挑戦する気持ちにならない。とにかく家庭を守ることが優先なので、まさか経営者になろうと言う気持ちに男性に比べてならない。それが女性としてのハンデになると思います」と問題を提起した。 また、能力があるのに苦労している女性経営者の共通点として「男勝り」な性格があるという。「世の中の性質上、女性は男性の力を借りやすい生き物のはずなのに『じぶんがやらなきゃ!』という気持ちが強くて、何でもワンマンになって体を悪くするという悪循環になる」と話した。 ただ悪い面だけではない。笹木氏は女性経営者のメリットとして「男性社会だからこその、レディーファースト文化」を挙げた。具体的には「ある経営者団体に入っているんですけど、95%ぐらいが男性。とにかく女性が入ったという時点で覚えてもらえるし、話も聞いてもらえる」と認知面での有利や、「男性社会だから女性に優しいんですよね。経済的な支援だけじゃなくて、アドバイスとか応援もしてくれる。それを良い意味で有効活用しています」と話した。 そうしたことも踏まえて「メリットとデメリットは相殺されると思うんですよね。なんなら女性だから不利と言うより、有利な点も多くある」と強みを生かせば女性こそより活躍できることを示唆。そのためには「経営者だけじゃなく、1人でやろうと思うのはダメです。子育てなら旦那さんと一緒に、経理ならこの人に。みたいな感じで、分野ごとに人に頼ることが必要ですね」と女性が活躍していくための秘訣(ひけつ)を語った。 ◆笹木郁乃 1983年生まれ。山形大学工学部を卒業後、研究開発職としてアイシンに入社。26歳で創業期の寝具メーカー・エアウィーヴに転職。広報PRを1から始め、一人広報として5年で1億円から115億円への売上げ拡大に貢献した。2013年に出産。育休から復帰後、無水鍋のバーミキュラ製造販売の愛知ドビー株式会社に広報PR担当として転職し、1年間で12ヶ月待ちの人気商品に押し上げることに尽力。32歳で独立し、2019年にPR会社「LITA」を設立。 (よろず~ニュース・髙石 航平)
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