"阿部野球"の投手起用に疑問? 巨人、ヤクルト、中日の戦力分析とキーマン
春季キャンプからオープン戦まで、約2ヵ月の準備期間を経て、待ちに待ったプロ野球の新シーズンがついに開幕。優勝を目指して戦う各球団の最新事情や気になるトピックを野球評論家のお股ニキ氏と共に総ざらいしよう! 今回は読売ジャイアンツ、東京ヤクルトスワローズ、中日ドラゴンズの3球団だ。 【写真】順位を大きく左右するヤクルトのキーマン * * * 【読売ジャイアンツ】常勝軍団復活を目指す"阿部野球"の神髄とは!? 阿部慎之助新監督の下で臨む今季、お股ニキ氏は「長期政権だった原辰徳前監督時代の"萎縮"が払拭できるはず」と予想する。 「結果を求められるあまり、昨季までの巨人は萎縮したプレーが多かった。ただ、阿部新監督になったことで、投手陣の場合、『逃げて四球を出すくらいなら、思い切ってど真ん中ぐらいの気持ちで投げよう』という前向きな姿勢の浸透を感じます」 また、トレード移籍などオフの動きが活発だった巨人。お股ニキ氏も「アダム・ウォーカーという犠牲は払ったものの、弱点のブルペンを整備できたのは大きい」と語る。しかし、だからこそ、起用法では気になる点もあるという。 「昨季後半戦に防御率1.36で12球団1位の投球を見せた赤星優志がリリーフスタート。ソフトバンクから獲得した高橋礼も好調ですが、先発だと左打者を並べられたりするので、牧田和久(元西武ほか)のようにリリーフ待機が適任。役割が逆な気がします」 野手に目を転じれば、門脇誠のショート定着により、坂本勇人(はやと)を三塁、岡本和真を一塁に固定できるようになり、バランスも向上。さらに新人選手の台頭も期待できそうだ。 「オープン戦打率4割のドラフト3位、佐々木俊輔はキャンプでひと目見ていい選手だとわかりました。また、4位の泉口(いずぐち)友汰は吉川尚輝の尻を叩く存在として適任。投手陣も菅野智之の復活が期待でき、充実の顔ぶれ。阪神の対抗馬として最有力だと思います」 【東京ヤクルトスワローズ】"タイムリー欠乏症"も......ヤクルト打線はつながるのか!? オープン戦では46イニング連続で適時打が出ず、"タイムリー欠乏症"と揶揄(やゆ)されたヤクルト。 しかし、お股ニキ氏は打線の軸である村上宗隆の状態について、「決して悪くない」と評価する。 「今季は見る限り復活しているので、昨季のようなスランプはないはず。.301、38本は期待できそうな打ち方です」 その村上と共にお股ニキ氏がキーマンに挙げるのが、昨季51試合の出場に終わった塩見泰隆だ。 「塩見が50試合しか出られないのか、120試合以上出られるのかによって、チームの順位は大きく変わります。ケガしがちなので、センターではなくレフトで負担を減らすことも考慮したいが、外国人やオフに補強した西川遥輝(はるき)にベテランの青木宣親(のりちか)らがいて難しいです」 塩見の状態も注目だが、同様に故障しがちなのがヤクルト投手陣だ。 「本来、開幕投手は小川泰弘に任せたかったが、肘の違和感で出遅れ。そもそも、この20年ほどのヤクルト開幕投手は8割が小川か石川雅規。つまり、このふたり以外の先発投手が台頭していないのが問題です」 それでも、「ケガさえなければ強い」というのがヤクルトの特色だという。 「5位、6位を争ったかと思えば、主力のケガが少なければリーグ連覇もしてしまう。波が激しい分、勢いに乗ると手がつけられず、他球団からすると厄介な存在だと思います」 今年の"ヤクルトガチャ"の目はどう出るのだろうか。 【中日ドラゴンズ】オープン戦優勝! 今年こそ12年ぶりCS進出なるか!?