「誤報が8割」でも異議はなしーー児童を守る品川区の防犯ケータイ20年 #こどもをまもる
経験豊富なオペレーターが月曜日から土曜日(日・祝日除く)の朝7時半から夜8時まで待機
児童見守りシステムの仕組みはこうだ。 (1)児童が危険を感じたときに「まもるっち」の防犯ブザー用ストラップを引っ張ると、本体から警報音が鳴ると同時に「まもるっちセンター」に通報が入る。 (2)「まもるっちセンター」と児童の「まもるっち」がハンズフリーで通話が可能となり、児童がどんな状況にあるか確認が行われる。 (3)「まもるっちセンター」が緊急通報であると判断した場合、状況に応じて生活安全サポート隊・保護者・学校・警察・協力者へ連絡する。 (4)品川区内の通報であれば、センターから連絡を受けた人が、児童の元へ駆けつけ児童の保護または状況確認をする(GPS情報は日本国内であればセンターで把握できる)。 生活安全担当横にある「まもるっちセンター」の小さな専用ブースには、パソコンとモニターが並ぶ。数人の職員がモニターの前に待機しており、デスク横にあるランプが赤く点滅すると通報の合図だ。すぐにヘッドセットをつけて会話を開始する。 「どうしましたか?」 オペレーターが優しい声で子どもに語りかけ、電話の様子から児童が置かれている状況の把握に努める。通報と同時に、パソコンの画面には児童の氏名などの情報が表示され、児童が現在いる位置もGPSで画面に表示される。「間違えて引っ張っちゃいました」という児童に、「気をつけてくださいね」と最後まで優しい口調で語りかける。児童の安全が確認できたら通話は終了だ。
センターには、日・祝をのぞいた月曜日から土曜日朝7時半から夜8時までのあいだ、常時数人のオペレーターが詰めている。誤報がほとんどだというが、万が一のため、児童の応答だけでなく、周囲の音にも耳を澄ませて、異常をすぐに感知できるようにしている。現在のまもるっちは4世代目。通話機能の向上により最近のケータイは周囲の音を細かく拾ってくれるそうだ。オペレーターの職員で判断がつかない場合は、同じフロアにある生活安全担当へ相談に行く。 「システム発足当時からいらっしゃる方もいます。オペレーター同士でも情報やノウハウを共有して、児童が安心できる応対を常に心がけているんです」(森田課長)