「トップダウン」では昔ほど成果が出ない今、リーダーに求められている「大事なこと」
---------- かつては主流だった、「トップダウン」のマネジメント。しかし、時代の変化にともなって、今までのやり方では成果が出なくなってきた。著書『変化をもたらすリーダーは何をしているのか? 』を上梓した、人材育成・組織風土改革コンサルタントの園部浩司氏が、今リーダーに求められている資質と、これからのリーダー像について考察する。 ---------- 【写真】人事評価で「上位5%」に入った人たちの働き方「驚きの共通点」
「創意工夫が必要な仕事」が増えている
仕事は、三つの種類に分かれます。 まず一つ目は「力仕事」。これは人の代わりに機械がやってくれる仕事です。 二つ目は「作業系の仕事」。これは手順が決まっている仕事で、将来的にはテクノロジーに置き換えられることが十分予想されます。実際、既に置き換えられている例も多く、たとえば鉄道の自動改札機や、手作業で行っていたものが、システム化されたものなどを思い浮かべていただければいいでしょう。 三つ目は「問題を解決する仕事」。問題を解決するためには、解決策を考え、皆で知恵を出し合い、企画を立てる必要があります。つまり、プロセスに「企画すること」が求められる仕事です。 といっても、商品・サービスの企画職や、デザイン職や設計職といった専門スキルが必要な職種などの、いわゆる“クリエイティブ系の仕事”を指しているのではありません。 どの職種のどの仕事なのかという範疇には限定せず、「創意工夫が必要な仕事」全般を指しています。 たとえば、人事の仕事は、先に述べたようないわゆる“クリエイティブ系の仕事”として分類される仕事ではありませんが、もし「採用」という仕事ひとつでも、「今、当社ではどういう人を採用すればいいのか」「採用率を上げるには具体的に何をすればいいのか」「採用ウェブサイトをどのようなページにすると効果があるのか」などを考える必要が出てきます。 これらの仕事は、今までやってこなかった新しいことを、「採用」という観点から生み出す仕事なので、企画という領域に踏み込んでいます。 テクノロジーが進歩し、さまざまな機械やITインフラなどが職場に導入されて、今までの仕事のやり方を見直す、というのも企画領域の仕事です。 企業というのは、なんらかの社会課題を解決するために事業を行っています。そこで働く一つひとつのチーム、一人ひとりの社員にとっては、目の前のお客様の課題を解決して価値を生み出すことが、仕事の主流になっています。 つまり、三つ目の「問題を解決する仕事」とは、事業や部門、職種に関わりなく、ここ10年ほどで増えてきたように感じています。 「企画や創意工夫が必要な仕事」であり、「テクノロジーに置き換えにくい仕事」とも言えます。 そこで、チームのメンバー皆で対話し、知恵を出すことが必要になるので「メンバーが主体的に行動し、仕事のやりがい・達成感を得られるチーム」を目指していくことが有効というわけです。