「今日勝てたのは通過点」 選抜濃厚の明徳義塾、エース池崎が粘投
（3日、第77回秋季四国地区高校野球大会準決勝 鳴門渦潮3―6明徳義塾） 明徳義塾の左腕・池崎安侍朗投手（2年）はこの日、周囲が「見たことがない」というほど制球に苦しんだ。 【写真】鳴門渦潮―明徳義塾 一回表、鳴門渦潮の一塁走者・津田が二、三塁間に挟まれた末、タッチアウト=2024年11月3日、高知県立春野、中川壮撮影 序盤から得意のスライダーが高めに浮いた。一回は2四球と味方のエラーで失点。二回も先頭打者に四球を与え、適時打を浴びた。 「失点は自分が四球を出したせい。何とかしたかった」 二回裏、自らのバットで反撃の口火をきる。打順は6番。直球をたたき、チーム初安打となる二塁打を左翼線に放った。後続の長短打などで一挙4点。「仲間が点を取ってくれて気持ちが楽になりました」 実は2日前まで熱があり、練習を休んだ。「やはり体が重そうだった」と馬淵史郎監督。「もっとゆったり投げろ」と助言し、本人も修正を試みた。制球は少しずつ持ち直した。八回にはまたも自らの適時打で5点目を挙げ、6点目のホームも踏んだ。 今夏の甲子園での登板では、準優勝した関東第一に2―3と敗れた。その後、10月の国民スポーツ大会では、夏の覇者・京都国際に完投勝利。自信はついている。 「今日勝てたのは、まだ通過点。自分の投球が悪い時、すぐに修正できるように取り組んでいきたい」と話した。（蜷川大介）
朝日新聞社
