都政改革本部の上山信一特別顧問会見(全文1)このままでは3兆円超のリスク
施設などハードのコストについて
それでは報告書の中身のご紹介に移ります。Please go to page 7. で、今回トータルの予算というのが問題になってるわけですけども、もちろんまだあと4年ありますので、細かいことまでは分かりません。しかしながら、予測っていうものはやっていかないと予算の管理ができないということで、今回エスティメートをやってみました。 費用ですけども、大きく分けてハードの施設の建設費用というものと、それとあとソフトな運営費用というものの2つに分かれます。ハードな分についてはだいたい決まっていると。例えば新国立競技場、選手村、こういうものはもう実際に建設が始まっています。それから東京都が建てる恒久施設、これは大会が終わったあとも使い続ける施設ですけども、これが8個ありますが、これについてもだいたいの中身が決まっていると。 それからあと、神奈川であるとか千葉とかほかの県にもまたがりますが、大会中だけ使ってあとは壊してしまう施設というものがいくつかあります。それの分が2800億円ということになっています。この図の左から4つの箱は、従っていずれもハードということになります。これについてはだいたい想像がついておりまして、今回の東京都のチームで一番詳しく見たのは、この都が建てる恒久施設とここの中身、しかもその中でも金額が大きくて工事がもう始まりかけていると、あるいはすでに始まっていると、その3つについて集中的に見たということであります。はい、じゃあ以上。
大会運営費用(セキュリティー、輸送など)のソフトのコスト
それで、残りの点線で書いたソフトの部分ですが、これが実は非常に大きいわけです。先進国のオリンピックのコストのサンプルとして非常に参考になるのがロンドンです。ロンドンの場合のコストが全体で約2兆1000億円掛かったのですが、そのときの結果を見るとやはり施設整備の分が7500億円ぐらいと、ちょうど今の東京の数字と非常に似ています。 で、残りのソフトな部分が結果的にはセキュリティー、輸送、それからあと大会運営のためのさまざまな費用というものが全部乗っかって、合計2兆になっているわけですが、その数字をベースに推計をして、私たちも輸送、セキュリティー、テクノロジー、エネルギー、その他大会運営費用というのを試算した結果、2兆円を超えるのはほぼ確実だし、それからあとで申し上げるガバナンス、全体の進め方の問題ということを考えると、それからさらに数割乗っかっていくだろうということで、3兆円を超えるリスク、可能性というものを今回、問題提起をしました。 コストの額は、しかしながらいくらだとリーズナブルだとか、いくらを超えると駄目だというふうな、絶対な基準があるわけではありません。費用対効果を見て、どうなのかという判断をしなければいけない。今回われわれはコストのエスティメートをすると同時に、いわゆる効果、オリンピックの場合はレガシーと言いますけれども、オリンピックをやったあと何が残るのかということについても現在のプランがどうなっているかということを見ました。