シュナイダーエレクトリック、データセンター向け局所冷却空調ソリューションで冷媒/冷水ハイブリッド方式のエコノマイザモデルを提供
シュナイダーエレクトリックは3日、データセンターやサーバールーム向けの局所冷却ソリューション「Uniflair InRow Cooling」シリーズに、冷媒と冷水のハイブリッド冷却方式を採用し、高い省エネ性を実現した「InRow DXエコノマイザモデル」および併用する水冷コンデンサを発売した。両製品ともに、日本国内での提供を開始した。 【画像】InRow DXエコノマイザモデルと水冷コンデンサを用いた冷却システムの構成イメージ シュナイダーエレクトリックでは、AIアプリケーション活用の増加を受けて、データセンターではGPUサーバーの普及による加速度的な高密度化が進んでおり、大量・高温の廃熱を効率よく冷却するソリューションのニーズが高まっていると説明。現在、データセンター空調の膨大な消費電力を削減するために、一般的な空調機器で部屋全体を冷却してきた従来の手法から、サーバーラック単位で冷やす局所冷却や、サーバーまたはチップそのものを直接冷やす液体冷却など、より熱源に近い場所で無駄なく冷やす高効率な冷却手法への移行が進むとともに、そうした冷却をいかに省エネルギーで行うかが課題となっているとしている。 こうした市場背景を受けて、シュナイダーはデータセンターやサーバールームにおいて、ITラックの列内に組み込み、サーバーラックのすぐ近くで冷却を行う局所冷却ソリューション「Uniflair InRow Cooling」シリーズのラインアップを拡張し、InRow DXエコノマイザモデルおよび水冷コンデンサを発売した。 InRow DXエコノマイザモデルは、冷媒・冷水の2つの方法で柔軟に冷却を行うハイブリッドタイプの空調機。外気温度と冷水温度を測定し、その環境に合わせて、低い外気温度を生かす100%フリークーリングモード、水冷コンデンサと冷媒コイルのみで運転する圧縮機運転モード、フリークーリングを圧縮機でアシストするハイブリッドモードを自動的に選択して運転する。 冬季に外気を活用したフリークーリングを行うことにより、従来の水冷タイプのInRowを導入した場合と比較して、年間30%の電力消費量削減が可能となり、改正省エネ法でもデータセンター業のベンチマーク指標となっているPUEの低減に貢献する。 寒冷な季節に自然外気温を活用して冷却を行うフリークーリングは、省エネルギー効果が高い一方で、設備投資コストが導入の大きなハードルとなるが、InRow DXエコノマイザモデルは、省スペースでハイブリッド運転が可能なため、これまでよりも少ない設備投資コストでフリークーリングの実現環境を構築できる。
クラウド Watch,三柳 英樹